タイツ生地のマスク製造 島原・プラスナイロン 肌触り良く手洗い可

ストッキング用の生地で作ったマスクを手にする荒木社長=島原市有明町

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、マスクの入手が困難な状況が続く中、女性用ストッキングを製造する長崎県島原市有明町のプラスナイロン(荒木辰雄社長)は、ストッキング用の生地を使い、肌触りの良さが特徴的な繰り返し洗えるマスクの生産を始めた。自社工場を活用し感染拡大の防止につなげたい考えだ。
 同社は1965年設立。大手スーパーなどのOEM(相手先ブランドによる生産)で、ストッキングやタイツを製造する。本社工場には、編み機約150台などの製造設備が並び、生産能力は月30万足という。
 感染拡大に伴い、2月から生産量が7割減少。こうした状況の中、取引先からの要望もあり、開発チームを発足。価格を抑えるため、工程の自動化を徹底したほか、人の手が唯一必要な縫製作業の効率を上げる工夫や改良を重ね先月、商品化に成功した。生産能力は月15~20万枚で、現在の受注数は4万枚。主に県内外の企業向けという。
 価格は1枚200円程度。大きさは縦約12センチ、横約18センチで色は白、青、ピンク、グレーの4色。生地にはナイロン・ポリウレタンを用い、伸縮性があり耳が痛くなりにくく、顔にフィットする。手洗いが可能で何度も使用できる。マスクの内側には、ガーゼなどをはさむことで厚さの調整ができるポケットを付けた。
 島原、雲仙、南島原の3市にそれぞれ千枚ずつ寄贈した荒木社長(62)は「普段の技術を活用した。少しでもマスク不足で困っている地元の人のためになれば」と話す。事業所・一般向け販売は発注枚数で応相談。問い合わせは同社(電0957.68.1188)。


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