大河津分水路で大規模改修が本格着工 河口部に巨大な鋼殻ケーソンを移動

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川底を補強するためにコンクリートを入れて沈める鉄製の鋼殻ケーソン=長岡市寺泊野積

 信濃川の洪水を防ぐため、大河津分水路の大規模な改修事業が進められている。国土交通省信濃川河川事務所(長岡市)は今月、巨大な鉄製の箱「鋼殻ケーソン」を河口部に沈めて川底を補強する作業に本格着手した。分水路は河口部が狭く勾配も急なことから、改修は川幅を広げて増水時に十分な流量を確保するとともに、急流で川底が削られないように強化する狙いがある。

 大河津分水路は、信濃川本流と分かれた部分の幅が約720メートルあるのに対し、河口に近い部分は約180メートルに狭まる。勾配もあって増水時には激流となることから、2015年度に改修事業が始まった。河口から延長3.3キロを対象として、32年度までかけて拡幅と川底の強化などを行う。総事業費は約1200億円。

 現在、河口から約1キロの地点には川底をコンクリートで強化した「第2床固(とこがため)」があるが、設置から約90年と老朽化が進んでいる。

 新たな川底の強化策として、第2床固より約200メートル下流で水路を横切るように9基のケーソンを設置し、水がケーソンの上を流れるようにする。付近の川幅は約280メートルに拡幅される計画だが、水量が増えても削られない設計だ。

 ケーソン1基は長さ約28メートル、幅約15メートル、高さ約12メートルの箱状で総重量約450トン。1基目は19年11月に九州から海上輸送されて河口にとどめられ、信濃川河川事務所が今月上旬に船で目的地点までえい航した。今後、ケーソンにコンクリートを流し込んで沈設する。

 2基目以降も10月から順次、輸送して作業する。

 大河津分水路は、19年10月の台風19号で上流部の水位が破堤の恐れのある「計画高水位」を上回ったことを受け、上流部の拡幅工事も決まっている。

 信濃川河川事務所の室永武司所長は「大河津分水路の弱点である水の流れの悪さを克服する。ケーソン設置などの工事を一刻も早く進め、治水の安全度を高めたい」としている。