熊本のベンチャーが作った“植物肉”。代替肉と期待される開発現場に注目

RKB毎日放送、NBC長崎放送、RKK熊本放送、OBS大分放送、MRT宮崎放送、MBC南日本放送で放送中のドキュメンタリー「世界一の九州が始まる!」(日曜午前10:15)。その2020年5月17日放送回は、RKKが制作を担当した「地球を救うミラクルミート」をおくる。

世界の人口が100億人に達すると予測される2050年。人口増に対して食肉の生産が追い付かず、タンパク質不足に陥ることが危惧されている。そこで注目されているのが動物の肉を使わない植物由来の代替肉なのだ。

そんな中、熊本市のベンチャー企業「DAIZ」が大豆だけを原料とした植物肉・ミラクルミートを開発。研究開発部長の落合孝次さん(52歳)は30年ほど前から発芽大豆の研究を続けていて、発芽大豆と動物肉に含まれる成分が似ていることに着目した。大豆を発芽させるための酸素や温度、水分などの生育条件を変え、異なるストレスを与えることで味が違う発芽大豆ができる。それらを複数組み合わせて牛肉や豚肉、鶏肉などの風味に近いミラクルミートを作り出したのだ。

密度や形を変えれば、さまざまな食感も再現可能。ミンチ状からハンバーグを、かたまり状から唐揚げを、高いクオリティーで実現している。4月には自社工場も完成し、大手食品メーカーへ供給するための商品開発も進行中。番組では、今後ますます需要が増えそうな植物由来の代替肉開発の現場に迫る。

【内藤郁美ディレクター(RKK) コメント】
「担当しているニュースと情報番組のリサーチをしていて(ミラクルミートのことを)知ったことが番組化のきっかけです。打ち合わせで最初にいただいたハンバーグや小籠包(ショーロンポー)のクオリティーに感動し、多くの人に知ってもらいたいと思いました。大豆をなぜ牛肉、豚肉、鶏肉の味や食感にできるのか。方法はシンプルだが、そこには地道な努力の結果が詰め込まれているところが見どころです。(撮影では)新型コロナウイルスの影響で、商品開発に遅れが出たり、取材が制限されたりしました」
■プロフィール
1979年熊本県熊本市出身。現在RKKのニュース&情報番組「夕方Liveゲツキン!」で特集や中継のディレクターを担当。趣味は竹細工づくり。

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