デマの温床“トレンドブログ”に自身の記事掲載のEXIT・兼近大樹「ほぼ9割“嘘”正直もう諦めてる」

テレビ&ビデオエンターテインメントABEMAが、「ABEMA NEWSチャンネル」にて、ニュース番組『ABEMA Prime』を平日夜9時より毎日生放送している。

2020年5月13日(木)夜9時からの放送では、新型コロナウイルスの感染防止のため、スタジオ出演者の間にアクリル板を設置し、番組MCを務めるお笑いコンビ・EXITのりんたろー。と兼近大樹、進行を務めるテレビ朝日・平石直之アナウンサー、アイドルグループSKE48 の元メンバーでフリーアナウンサーの柴田阿弥以外のコメンテーターが自宅や職場から“テレワーク”で出演した。

この日の放送では、話題になった芸能人や事件、事故などの一般人の当事者などに関する情報をまとめたサイトの一種で、“デマ”の温床になっている『トレンドブログ』を取り上げました。その時々に話題となる事象を取り上げることで閲覧数を稼いで収益をあげるトレンドブログは、匿名で記事をまとめられるという特性から、憶測や誤情報ばかりで人を貶める内容も多く、名誉棄損などの法的問題に発展するケースも。そんなトレンドブログを通し、“ネット上でのモラルの必要性の有無”をテーマに議論した。

実際にトレンドブログ上で、自身の記事を見たことがあるという兼近は「僕の場合は、やっぱり過去に色々問題を抱えているので。サイト側は事実に基づいた嘘を載っけるので、一部の事実と共に嘘がまるごと全部信じられてしまう。実際には全然身に覚えがなかったり、ありえない情報までをも全員が信じて。それが拡散されていくので、ちょっと怖い。ほぼ9割『嘘だな…』ってこととかもある」と告白。さらに、「正直もう諦めてるというか…。芸能界に入った以上、無茶苦茶なことを言われる覚悟でやってるんで。ある程度は『またこんなこと書いてるよ』みたいに笑うしかない」としつつも、「全員が信じないようになってくれたら」と切実な想いを述べた。隣で兼近の発言を聞いていたりんたろー。は、同意を示しながら「僕、整形疑惑1回出たんですよ。その次に、『妊娠8ヵ月』って書かれて(笑)さすがにそれ無理でしょ!って(笑)」と、デマ記事を書かれた経験を明かし、スタジオの笑いを誘った。

一方で、トレンドブログのようなデマ情報に警鐘を鳴らしてきた、レギュラーコメンテーターでネットニュース編集者の中川淳一郎は、「トレンドブログはゴミ情報だらけなんだよ!記事の作成者は、取材能力がゼロ。基本的に、ネット上の情報をコピペしたものをまとめて記事にする。それで広告費用を稼ぐことしか考えてない」と一蹴。さらに、サイトに載っている画像が著作権や肖像権を完全に無視していることにも触れ、「違反しまくって逮捕されるぞ!写真も基本的にはネット上に転がってるものを無断で使っているわけで、許可なんか一切取っていない。それに文章に責任がない!誰が言ってるのか分からないから、被害を受けた人は訴えようがない!」と怒りを隠しけれない。

これに対し、元トレンドブログの筆者・倉谷ユウは、トレンドブログを閲覧する人の特徴について「堂々とぶっ叩ける“悪者”の存在を、みんな探しているんですよ。特に、事件事故のニュースがあった時に、犯人が公務員であったりとか、被害者が親子だったりすると、『こんなことが許されてはいけない!悪者を特定して裁かないといけない!』みたいな風潮になる」と分析。さらに、ブロガーはこの人間の心理を利用して「過激な記事を収入につなげていく」と見解を述べた。

また、過去にトレンドブログを書いていた立場から、罪悪感について問われると「それはありましたね。というか、自分はそもそも特定したり確証が取れないものとか、炎上しそうなことは書かなかった。でも、さっき中川さんが『トレンドブログは“クソパクりサイト”』って言っていましたけど、それをやっている自覚はあるので。罪悪感じゃないですけど、自分がゴミを作ってる自覚は勿論あるんですよ。だから楽しくはないし、これが良いことだとも全く思っていない。だから1番辞めた理由として大きかったのは、世の中で起きる事象の良し悪しを判断する尺度として、“アクセス数が取れるか・取れないか”の2つにしかなくなったこと」と赤裸々に明かした。

倉谷さんの言葉に納得の表情を見せた中川は、今回の議論テーマである“ネット上でのモラルの必要性の有無”について、「匿名で文責がないのが1番問題。書いてる人がとりあえずお金だけもらえて、責任を負わないで済む話なんです。たぶん我々とかEXITの2人や柴田さんも、問題発言したらこの仕事から干されるはずなんです。我々は常に恐怖感を持ちながら、こうやって番組に出たり、文章を書いてるんだけど…。それがない人が公に出せるのは素晴らしい、自由だから。その特権というか、境遇が与えられたなら『あまり誹謗中傷しないでいた方がいいんじゃないの?』って思います」と、自由を享受しているからこそモラルや責任を持つことの必要性を訴えた。

本放送の様子は、現在も「ABEMAビデオ」で配信中・

■『ABEMA Prime』 放送概要

放送日時 :毎週月~金曜 夜9時~夜11時  ※生放送

放送チャンネル:ABEMA NEWSチャンネル

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