コロナ影響で職場が休業 一念発起で新鮮野菜の移動販売を始めた女性たち『新鮮菜果・菜々果』の新たな挑戦

新型コロナウイルスの影響で仕事が激減した飲食店の女性従業員たち9人が、5月7日から野菜の移動販売を始めました。

女性たちは、熊本市のとある飲食店で働く同僚たち。

コロナの感染拡大の影響で、勤務先の店が休業したことをきっかけに、野菜を移動販売する『新鮮菜果・菜々果』を立ち上げました。

今回は、移動販売の現場にお伺いし、立ち上げに至るまでの経緯や今後の展開をお伺いしました。

飲食店女性たちの新たな挑戦『新鮮菜果・菜々果』

今回の会場は

今回の移動販売は、熊本市中央区、白山通りにある居酒屋「池もと」の駐車場。

なぜ野菜の移動販売?

広報担当の境さんによると、新型コロナウイルスの影響で、お店の再開のめどが立たない状況で、何かできないかと模索した結果、「誰もやっていないことをやろう」と、この仕事を決意したそうです。

3月から徐々に客足が減っていく中、お店の経営や運営に危機感を感じていた代表の益冨さんは、お店やスタッフを守るための方向性を模索していました。

きっかけは、宇城市にある株式会社アグリファーム宇城の今村さんからの提案でした。

ある時、株式会社アグリファーム宇城さんから、「野菜の移動販売をやってみないか?」との提案があり、お店の中で賛同してくれる人を募りました。

そうすると、多くのスタッフさんが賛同し、「やってみよう!」ということになったんです。

それが、4月下旬。

「やろう!」となってから実際の販売までに1週間ほどで、仕入れから事務的な準備、販売の方法、販売場所の手配などを急ピッチで進め、5月7日に販売を開始しました。

野菜のラインナップ

この日は14〜15種類の野菜が並んでいました。

「今日は少し多いですが、いつもこれくらいは並んでますよ」とスタッフさんがすごく気さくに教えてくれました。

野菜の仕入れは、宇城市小川町にあるアグリファーム宇城から

野菜の仕入れは、新鮮な野菜の卸しをされているアグリファーム宇城さんから仕入れてますが、出荷している生産者と直接話し、自分たちで味見をして、新鮮で美味しいキャベツや玉ねぎ、トマトなどを買い付けて、できるだけ安い値段で販売しています。

これまでに熊本市の琴平や植木、益城などで販売しましたが、今後は県内各地を回る予定で、要望があれば企業などにも出向きたいです。

アグリファーム宇城さんからの仕入れもそうですが、野菜の貯蔵庫や販売場所などは、支援として提供してもらっているとのことで、広報担当の境さんは「まだまだ赤字ですが、本当に皆さんに助けてもらいながらなんとか運営している状態です。早く皆さんに恩返しができるようにがんばりたいです」と話されていました。

株式会社アグリファーム宇城の今村さんに質問!

-- どうして彼女たちに野菜の移動販売を提案したのですか?

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、営業自粛していたお店だったので、何かできないかと思ったのがきっかけです。

元々、私も熊本で飲食店をしていた関係で、代表の益冨さんとも知り合いだったし、心配していたのもあったのですが、お店はもちろんスタッフさんも含めてこのままでは大変なことになると感じたし、もっと地域や熊本のために何かできることがないかと模索したところ、もしかしたらと思ったんです。

そこで、益冨さんに相談し、お店のスタッフさんにお声がけしていただきました。

「野菜の移動販売を考えてるけど、やってみたい人はいる?」と。

そうすると思いがけず、多くのスタッフさんが「やってみよう!」ということで集まってくれました。

ただ、私たちができるのは野菜を用意するだけ、売るのは彼女たち。

当社としては、利益は求めないという姿勢で、トラックの用意や野菜の卸値での提供はしてますが、実際に集客して売っていくのは彼女たちなんです。

すごく大変だと思います。

しかし、危機感を持ちながら、希望も持ちながら頑張っています。

先日もとある団地に販売に行ったのですが、彼女たちは高齢者の方々で足が悪くて階段での移動が大変なお客さんに対して玄関先まで荷物を持って上がってあげたりしていて、普段は重たい物を持つこともないだろう彼女たちが一所懸命に野菜を運ぶ姿を見て、本気なんだなと感じているところで、ますます応援したくなっています。

逆境に負けない女性たち

「重たいでしょ?大変でしょ?」と質問したところ、彼女たちは「大変です!重たいですよ!辛いですよ!」と笑顔で答えてくれました。

その笑顔はむしろ楽しそうな笑顔でした。

その真相を広報担当の境さんにお聞きすると・・・

「大変さもありますが、今は感謝しかないです。

野菜を提供してくださってるアグリファーム宇城さんをはじめとして、貯蔵庫や販売場所を提供してくださる方々、こうやって来てくださるお客様・・・本当にいろいろな人に助けられています。

右も左も分からないまま始めてしまいましたが、多くの方に助けていただいて、こうやって活動できているので、すごく感動しています。」

販売の頻度は?

毎日、どこかで販売するようにしています。

その場所や時間はインスタグラムやFafcebook、ホームページで発信していますのでご覧ください。

今後の展開は?

今後は、もっとたくさんの場所で販売できるように販路を拡大していきたいです。また、会社や企業などへ出向いての販売も展開していきたいと考えています。いくつかは企業様から「販売に来て欲しい」とのお問い合わせもありますし、他にも「うちの会社にも来て欲しい」という会社や企業様があれば、出向いて販売をしていきたいと考えています。

コロナが落ち着いた後も、できれば続けたいと思っています。

というのも、今回のコロナを受けて、新しい価値観や生活様式が生まれてくると肌感覚で感じていて、この移動販売はこれからの世の中で求められることだと思うので、ぜひ続けていけたらと考えています。

先のことは読めないですが、少しでも多くの人のお役に立てて、少しでも多くの人に喜んでもらえるとうれしいです。

野菜を購入した人の反応

「たまたま前をと通りかかって見てみたらすごく新鮮そうだし、スーパーと比べてもそんなに変わらない値段だしおいしそうだったから購入しました」という方や「職場が近くて覗いてみたら、安いし豊富な品揃えに安心感がありました」という方もおられ盛況でした。

新鮮菜果・菜々果の情報をチェック

今後もいろいろな場所で販売をしていくそうなので、今後の販売場所や時間などは、新鮮菜果・菜々果のSNSやホームページをチェックしてください。

新鮮菜果・菜々果のホームページはこちら

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