声掛けで特殊詐欺防止 五島署がコンビニ従業員に感謝状

特殊詐欺被害を防いだ森店長(右)と中野さん(五島署提供)

 長崎県五島市内で特殊詐欺の被害2件を未然に防いだとして、五島署は14日、市内のコンビニ「ポプラ福江中央店」と「ポプラ福江吉久木店」の店長と従業員の計5人に署長感謝状を贈った。いずれも電話会社をかたって架空の未納料金を払うよう求め、電子マネーカードを買わせて利用権をだまし取る手口だった。
 被害を防いだのは、中央店の森俊恭店長(46)ら3人と、吉久木店の従業員中野有紀さん(24)ら2人。
 中央店では4月14日、市内の50代女性が電子マネーカードを買おうとした。従業員が理由を尋ねると、女性は携帯電話で何者かに相談し、レターパックだけを買って帰ろうとした。
 現金をレターパックで送らせる詐欺もあり、従業員が森店長に相談。森店長が、女性に届いた電話会社名義のメールを見せてもらうと、アドレスなどに不審点が多く詐欺を確信。警察に通報した。森店長によると女性は犯人のうそを信じ、「料金を払わないと財産を差し押さえられ、生活できない」と困り果てていた。
 吉久木店にも4月13日、60代夫妻が電子マネーカードを購入しようと来店。中野さんらが事情を聴くと、夫妻は「10万円分を買って送る」と話したため、警察に通報して被害を防いだ。
 森店長は「今後も声掛けを続けたい」、中野さんは「今回はたまたまだが被害を防げてよかった」とそれぞれ語った。

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