青森市 手話言語の普及及び多様な意思疎通の促進に関する条例

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「青森市手話言語の普及及び多様な意思疎通の促進に関する条例」(令和2年4月1日施行)が制定されました。
私たち一人ひとりが、障がいのある人もない人も、お互いの個性を尊重し、理解し合える環境を整えていきましょう。

■条例制定の趣旨
手話は、音声ではなく手指や身体の動き、表情を使って視覚的に表現する独自の語彙や文法体系を持つ言語であり、ろう者は、生活の中から手話を発展させ、聞こえる人たちの音声言語と同様に、生きるために必要な言語として手話言語を大切に育んできました。
このような中、平成18年12月13日に国際連合において採択された障がい者の権利に関する条約、平成23年改正の障がい者基本法において、手話が言語であることが明記されました。
市では、障がいのある人がその特性に応じて必要となる意思疎通手段が異なることを広く周知し、市民の理解を促進する必要があること、また、障がいのある人自らが判断し意思決定するためにも、必要な意思疎通手段が選択できる環境を整える必要があります。
このことから、全ての市民が、障がいのある人など意思疎通が困難な人の思いや考えを理解し、相互に人格と個性を尊重し合うために、多様な意思疎通手段が必要であることを認識するとともに、多様な意思疎通手段による意思疎通の促進に努めていかなければならないことから、この条例を制定しました。

○市の責務(義務)
手話が言語であることの普及及び多様な意思疎通の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進します。

○市民及び事業者の責務(努力義務)
誰もが地域で安心して暮らしながら、生きがいをもって参加できる共生社会の実現に協力するよう努めます。

▽条例の内容には…
・幼児の教育及び保育並びに学校教育における理解の促進
・市職員への、手話が言語であること及び障がいの特性に応じた意思疎通手段に関する研修の実施
なども盛り込んでいます。

「この条例は、県内で初めてとなる手話言語の普及と多様な意思疎通の促進を図るための条例です。」

◇青森市ろうあ協会 会長 木村 由紀子さん
聴覚障害者は、聞こえないことが外から見ただけでは分かってもらえず、困ることが多いです。また、まわりの仲間に入ることができず、不安な思いをすることも多々あります。
「話しかけても分からないだろう」と思わず、気軽に声をかけていただくと嬉しいですし、緊急の時などは、状況を紙に書いて教えていただけるととても助かります。
青森市でこのような条例が制定されたことはとても喜ばしいことです。手話は、音声言語と対等な言語です。青森市でも条例が制定されたことで、手話でやり取りができる人が増えたらいいなと思います。

▽困りごと
・外出時に緊急の館内放送があってもわからない
・相手がマスクをしていると何を話しているかわからず、筆談を求めると拒否されることがある
など

「簡単な手話からチャレンジしてみませんか?」
※詳しくは、本紙3ページをご覧ください。

◇青森市視覚障害者の会 会長 小山田 寛さん
視覚障害者は、文字を含むあらゆる視覚情報が処理できず、安全に歩行したり移動することが難しいです。
白杖を使用しての歩行時に立ち止まったとき、「何かお手伝いをしましょうか」と声をかけてくださるかたが少しずつ増えてきているように感じます。この声がけは、多くの視覚障害者が助かっています。
今回、このような条例が制定されたことは、大変意義のあることだと思います。多くの市民のかたに知ってもらえるよう、もっと周知されてほしいです。

▽困りごと
・音の出る信号が設置されていない横断歩道を安全に渡れない
・雪道の歩行は方向感覚が鈍り危険
など

◇青森県重症心身障害児(者)を守る会 会長 谷川幸子さん
重症心身障害児者は、重度の肢体不自由と重度の知的障害を併せ持っています。言葉でのコミュニケーションを取ることができず、意思疎通が難しいですが、身振り、手振り、表情で訴えています。「理解できないだろう」と決めつけず、普通に話しかけてもらえると嬉しいです。うまくいかないときも多いですが、笑顔などで返してくれますので、本人なりに一生懸命に訴えているということを感じ取ってほしいと思います。
今回制定された条例の中に、「身振り、手振り、表情」が意思疎通手段として盛り込まれたことで、重症心身障害児者が多くの方々に理解されることを願っています。

▽困りごと
外出する機会が少ないので、スーパー等に連れて行くと嬉しくて大きな声を出して喜んだりする人もいます。親は少し困りますが、理解してほしいと思います。