【新型コロナ】買い物弱者支援の「移動スーパー」、コロナ禍で人気に

移動販売車で買い物するマスク姿のお年寄りたち=平塚市南金目

 平塚市内を中心に展開しているスーパー「しまむら」(同市長持)の“移動スーパー”が人気を呼んでいる。新型コロナウイルスの感染を警戒して、店内での買い物を敬遠する高齢者らの利用が増えているという。買い物弱者の支援を目的にスタートした試みが、感染防止にも一役買っている。

 同社は2018年4月、全国で移動スーパーを手掛けている「とくし丸」(徳島市)と提携して軽トラックの巡回による移動スーパー事業に乗り出した。近くにスーパーがないなど買い物困難者の利便性を図るため、これまでに平塚市内で3台、小田原市内で1台が稼働している。

 しまむら旭店(平塚市出縄)から毎週金曜日に巡回してくる同市南金目の民有地には1日昼すぎ、マスク姿のお年寄り7人が待つ中、移動販売車が音楽を流しながら到着。冷蔵庫を備え、生鮮食料品から総菜、飲料水、日用品まで400種類以上の商品を積んでいる。

 右手に手袋をはめて品定めしていた主婦(84)は「スーパーにも買い物に行くが、感染が怖いので急いで帰ってくる。移動スーパーは屋外で安心してゆっくり買い物ができる」と豆腐や野菜を買い求めていた。

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