IDC、2019年~2024年の国内第3のプラットフォーム向けITサービス市場は年間平均成長率26.1%で成長と予測

IDC Japan株式会社は、国内第3のプラットフォーム向けITサービス市場予測を発表した。第3のプラットフォームは、IDCが提唱しているコンセプトで「クラウド」「ビッグデータ」「モビリティ」「ソーシャル」の4つの要素によって形成される情報基盤を指す。国内第3のプラットフォーム向けITサービス市場は、クラウド向け、ビジネスアナリティクス(BA)向け、エンタープライズモビリティ向け、ソーシャルビジネス向けの4分野について、各分野(分野間の重複を含む)の単純積み上げの総額で、2019年に1兆7,855億円に達したとみられる。なお、同市場予測は、2020年3月末時点における新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の影響および見通しを考慮したものである。2019年の国内第3のプラットフォーム向けITサービス市場は、4つの主要技術分野全てで2桁の高成長を遂げた。2020年はいずれの分野においてもCOVID-19による影響を受けて前年比成長率が低下するが、それでも2桁の成長率を維持し、2021年以降もDXに関わる需要に牽引され、高成長を継続していくとIDCでは予測している。同市場は、2019年~2024年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)26.1%で、2024年には5兆6,819億円に達すると予測している。ただし、予測期間の後半になるほど、4分野間における重複領域は拡大するため、実際の市場規模はこれよりも小さくなることに注意が必要とした。4分野の内、最大市場である、国内クラウド向けITサービス市場は2019年の支出額が前年比34.3%増の9,392億円だった。既存システムのクラウド移行や、マルチクラウドを含む統合的なマネージドクラウドサービスなどが成長を牽引した。COVID-19の影響による企業のビジネスモデルや従業員の働き方の変化は、2021年以降のクラウド向けITサービス市場拡大の促進要因となる。同市場は2019年~2024年のCAGRが33.0%と高い成長率を維持し、2024年には3兆9,145億円に達するとIDCでは予測している。IDC Japan ITサービス グループマネージャーの植村卓弥氏は「COVID-19は、2021年以降における国内ITサービス市場における、第2のプラットフォーム向けから第3のプラットフォーム向けへの移行を、より加速させる効果をもたらすであろう。ITサービスベンダーはこれまで以上に迅速に、新たなサービスへの適応を進める必要がある」と述べた。

© 株式会社アールジーン