V長崎15周年<13> クラブ記録を大幅に塗り替え 夢のJ1昇格 2017年(J2)

ホームで悲願のJ1昇格を決めたV長崎。セレモニーで喜びを分かち合う=2017年11月11日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎

 クラブ存続の危機を乗り越えて、リーグ2位で初のJ1昇格を決めた。勝利数24、勝ち点80、総得点数59は、いずれもクラブ記録を大幅に塗り替えた。
 2月に経営難が明らかになり、不安を抱えながら開幕を迎えたが、4月にジャパネットホールディングス(佐世保市)の子会社として再出発した。以降、徐々に調子を上げて、第30節から最終節までは13戦無敗。一気に自動昇格圏まで駆け上がった。
 11ゴールでチーム得点王のFWファンマ(現アビスパ福岡)は、体の強さと技術を生かしたポストプレーでも活躍。MF翁長聖(現大宮アルディージャ)は豊富な運動量で左サイドから好機を演出した。リーグ戦の終盤は日替わりヒーローが誕生。終了間際に勝ち越し弾や同点弾が生まれる劇的な試合が続いた。
 勝てば昇格が決まるという中でキックオフした11月11日の第41節カマタマーレ讃岐戦は、ホーム過去最多の2万2407人が来場。チーム最古参のMF前田悠佑(現V長崎普及インストラクター)が後半28分に「一生忘れられないゴール」という決勝点を挙げると、スタジアムは熱狂の渦に包まれた。


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