九電、黒川第1発電所を復旧へ 熊本地震で損壊、26年度発電再開めざす

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2026年度発電再開の計画が示された黒川第1発電所の水圧管路=19日、南阿蘇村立野(上杉勇太)

 九州電力は19日、熊本地震で貯水槽などが損壊した南阿蘇村立野の黒川第1発電所を復旧すると発表した。2022年度に貯水槽を新設する工事などに着手。26年度の発電再開を目指す。

 同発電所は16年4月の熊本地震の本震で貯水槽が損壊。推定約1万トンの発電用水が流出し、土砂とともに約200メートル下にある新所区の集落に流れ込み、住民2人が死亡した。

 復旧に向けては安全策を強化する方針。19日示した復旧計画によると、貯水槽はこれまであった所から北東に約2キロ離れた平たん地に新設。貯水槽から発電所に水を運ぶ水圧管路は斜面が急な部分を地下に埋設するなどとしている。

 同社は19年1月、有識者らでつくる評価委員会を設けて同発電所の復旧の可否に関する検討を開始。委員会は同年10月、「復旧は可能」とする結論を出しており、復旧計画にはその際に必要として列挙されたハード、ソフト両面の対策を盛り込んだという。

 熊本市内で計画の概要を発表した九電水力開発総合事務所の担当者は、復旧を決めた理由について「水力発電は出力が安定した貴重な再生可能エネルギー。地域住民にも否定的な意見がなかった」などと強調した。

 同発電所は1914年に発電を開始。黒川から取水し、約250メートルの高低差を生かして発電する。復旧後の最大出力は約3万キロワットを予定。これまでは4万2200キロワットだったが「経済性などを考慮した」と説明。事業費は今後2年かけて詳細設計するため「未定」とした。(田上一平、福山聡一郎)