コロナ禍でのひとり暮らし…孤独感募るアラフィフの本音

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外出自粛で在宅勤務になり、孤独感を強めている女性がいる。バツイチ子どもなしのひとり暮らし。仕事と趣味があればいいと気ままに生きてきたが、さすがに現状は厳しいようだ。

仕事と趣味と……気ままに生きてきたけれど

外出自粛で在宅勤務になり、孤独感を強めている女性がいる。バツイチ子どもなしのひとり暮らし。仕事と趣味があればいいと気ままに生きてきたが、さすがに現状は厳しいようだ。

どこにも行けないことがこんなにつらいとは

「家族がいるとやっかいなこともあるけど、家族に救われる面もある。ただ、私は気ままに生きることを選んだので、今さら不平を言うつもりはないんですが」

アキコさん(51歳)は、20代後半で一度結婚したが、夫の母との軋轢から3年あまりで離婚。以後、仕事を軸とした生活をしてきた。

「大手ではないけど、そこそこの中堅企業でそこそこの給料。離婚してすぐに1LDKのマンションを購入して、もうじきローンも終わります。ドラムを習ったりヨガをやったり、音楽や映画好きのネットのコミュニティに参加してオフ会にもよく顔を出していました」

ところが今は音楽スタジオやスポーツジムも閉鎖、映画館もやっていない。友だちと会うこともない。いろいろなつながりが一気に切れた。もちろんオンライン飲み会などで友だちの顔を見ることはできるが、やはり「会う」のとは違う。

「毎日ひとりでいると、少し気が滅入りますね。週に一度、出社はしますが、みんなどことなくどんよりしています」

これほど毎日、家にいるのは初めて。今まではとにかく多忙で、1週間くらい家にこもりたいと思ったこともあるが、実際にこもってみると狭いマンションでの息苦しさが募る。多忙なときには次から次へと浮かんでいた新しい事業の企画アイデアもまったく浮かんでこないという。

「時間は作り出すものだとよくわかりました。多忙だからこそ映画を観に行ったり音楽教室に通ったりしていたけど、逆に時間があるとDVDひとつろくに観てない。自分だけ取り残されているような気持ちにもなります」

周りが見えないからこそ、自分の立ち位置もわからなくなる。人は社会の中で生きているのだとアキコさんはつくづく感じたそうだ。

元カレからのメール

5月に入って、元カレからメールが届いた。

「どうしてる?大丈夫?という程度のものでした。仕事で知り合って彼は既婚者でしたが、いけないと思いながらも関係をもって2年半ほどつきあいました。このまま続けたいとも思っていた。だけど結局、奥さんにバレて……。彼、身の回りの荷物をもって私のところに転がり込んできたんですよ。同時に奥さんから電話があって、泣きながら『夫を返して』って。妻という立場だったらもっと上から言ってもいいのに、彼女は『あなたもつらいかもしれないけど』って言ったんですよね」

本当に悪いことをしたとアキコさんは泣きながら妻に謝った。そして家にいた彼を追い出したのだ、あなたと暮らす気はない、ここはあなたのいる場所ではないと言って。

「本当はそのまま一緒に暮らしたかった。でも奥さんの気持ちを考えたら、そんなことはできない。苦渋の選択でした。彼もそのことをあとで知ったようです。その後、彼は転職したので仕事上でも会うことはなくなっていました。そんな彼から来たメールに返事はできませんでした」

別れた人ともう一度、つきあえるとは思っていない。友人としてならいいかなと返信しかけたが、奥さんの涙声がよみがえった。

「彼がどういうつもりでメールをくれたのかわかりません。ただ心配してくれただけかもしれない。でも返事さえしたらいけない関係ってあると思うんです」

濃厚につきあっていた2年半を思い返すと、今も彼への未練があると自覚した。アキコさんにはもう両親がいない。親戚づきあいもほとんどない。彼への返信を自ら断念したとき、自分が「世の中で本当にひとりきり」なのだと痛感したという。

「みんな、誰かの大切な人っていうけど、私をいちばん大切だと言ってくれる人はこの世の中にはいない。それがわかったのがこの自粛期間なんだなと」

もしかしたら、彼にとって、アキコさんは「大切な人」なのかもしれない。アキコさんを大切な友人だと思ってくれる人もたくさんいるだろう。「いちばん」でなくてもいいのではないか。

親も子どももいない独身者、親や子どもがいてもまったく接触のないひとり暮らしの人など、「誰にとっても大切な人ではない自分」を感じている人は少なからずいると思う。こうした異常事態には、それが孤独感を強める原因ともなり得る。

そんなときは突きつめて考えないほうがいい。きっとまた友人たちと楽しい時間を過ごすことができる。少しだけあえて楽天的になる必要もあるのではないだろうか。

(文:亀山 早苗(恋愛ガイド))