長崎・青山私道封鎖問題 代替道路として市道拡幅へ

車両が通行できるように拡幅される市道=長崎市青山町

 昨年10月に長崎市青山町の住宅団地を通る私道が所有する業者に封鎖された問題で、長崎市が車両の通行できる代替道路として町内の市道の一部を拡幅することが19日、分かった。25日に着工し、9月ごろに完成予定。
 昨年10月、青城自治会内にある私道(延長約700メートル)を所有する福岡県の不動産管理会社が住民に車両通行料を求めて、道路の一部を封鎖。今も通行禁止としている。影響は隣の青山町自治会にも及び、住民が周辺に出るには軽自動車が通れる道幅の市道しかなかった。
 拡幅するのは青山町自治会内を通る約34メートルの市道。従来の幅1~1.5メートルから2.5~4メートルに広げ、緊急車両も通れるようになる。事業費約1350万円。昨年10月に設計を始め、4月までに市が関係する地権者3人から土地を取得した。
 住民の会社役員、犬塚勝利さん(57)によると、私道の通行禁止で普通車が通れる道がなくなったため、軽自動車に乗り換えたり、団地の外に駐車場を借りたりした住民もいるという。犬塚さんは「買い物難民、病院難民も多い。ようやく不自由が解消される」と話した。
 私道を巡っては、住民の一部が業者を相手に通行妨害禁止などを求め、長崎地裁で争っている。


© 株式会社長崎新聞社