中国工場の生産回復 北陸のメーカー

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 中国で新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきたことに伴い、北陸のメーカーが現地工場の生産回復や営業活動の再開を進めている。休業していた工場が徐々に生産体制を整え、展示会への出品を計画する動きもある。ただ、中国では新たなクラスター(感染者集団)が発生するなど「第2波」の懸念が高まっており、関係者からは経済活動の冷え込みなど先行きへの不安の声が聞かれた。

 江蘇(こうそ)省に子会社の工場がある大同工業(加賀市)では現在、現地の日系自動車メーカー向けに出荷する四輪車の部品の生産体制が、感染拡大前に近い状態に戻っている。担当者は「受注分は計画通りに生産することができている」と胸をなで下ろす。

 同社では、新型コロナの感染拡大に伴って2月中旬まで工場を休業。それ以降は自宅待機していた現地の従業員が工場に戻ったり、日本人社員を現地に返したりして、操業に必要な人手を確保している。

 アイ・オー・データ機器(金沢市)でも、液晶モニターなどの製造を委託する現地工場の稼働率が約80%にまで回復した。2、3月は約30%にとどまっており、日本国内でテレワーク(在宅勤務)による需要が高い中で、欠品となる商品も出ていた。担当者は「早ければ5月中にも感染拡大前の状態に戻りそうだ」と話した。

 富山県内に生産拠点を置くYKK AP(東京)によると、中国のYKKグループの一部拠点で生産活動が感染拡大前の水準に戻りつつある。

 サプライチェーン(部品の調達・供給網)にも回復の兆しが出ている。電源製造のコーセル(富山市)によると、中国から調達している電子部品の多くは4月中旬から生産体制が回復傾向にある。19日時点で新型コロナの感染拡大前と同様の水準に戻った部品もあり、物流や関税手続きの停滞も、ほぼ解消されたという。

 新型コロナの終息後を見据え、営業活動に動く企業も出ている。

 上海市に営業拠点を持つ澁谷工業(金沢市)は、6月27~29日に開催される半導体関連の展示会「セミコンチャイナ2020」への参加を計画する。

 3月に開催予定だったが、新型コロナの影響で延期となっていた。例年は日本からも社員を現地に送り込んでいたが、今年は現地のスタッフのみで対応する予定だ。

 中国工場の生産は徐々に回復しているものの、石川県内のメーカー担当者からは「中国でもコロナは完全に終息していない。いつ第2波が来るか分からず、楽観はできない」との声が漏れた。