マーリンズの「球団史上最高の控え選手」にイチローが選出

各球団の「オールタイム・チーム」を決める企画のなかで、メジャーリーグ公式サイトでマーリンズの番記者を務めるジョー・フリサロは「球団史上最高の控え選手」にイチローを選出した。イチローは2015年1月にマーリンズと契約(当時41歳)。マーセル・オズーナ、クリスチャン・イェリッチ、ジャンカルロ・スタントンという強力な若手外野手トリオの控えとして、2017年まで3年間マーリンズでプレーした。

イチローが契約した当時のマーリンズは、外野のレギュラーが固定されていることもあり、主力クラスの外野手を必要としているわけではなかった。しかもナ・リーグには指名打者制がなく、2014年にヤンキースで143試合に出場して打率.284、15盗塁をマークしたイチローが「外野4番手&代打の切り札」という役割に回るのは確実。イチローがマーリンズにフィットするかどうかを疑問視する声も決して少なくなかった。

しかし、フリサロは「イチローとの契約はマーリンズにとって有意義だった」と断言する。イチローは2016年にメジャー通算3000安打を達成し、日米通算の安打数ではピート・ローズを上回った。また、2015年のシーズン最終戦では初めてメジャー初登板。当時、イチローは「高校では投手をしていたし、日本のオールスター・ゲームで投げたこともあった。でもメジャーのマウンドに立つことで夢の1つが今日叶った。(登板を)二度と頼まないけどね」と話していた。

イチローは本拠地マーリンズ・パークのみならず、敵地でもファンから大きな歓声を浴びた。また、イチローが野球に取り組む姿勢から多くのことを学んだマーリンズの選手も少なくない。個人成績だけを見れば、イチローより優れた数字を残した選手は他にもいるが、フリサロはチームに与えた影響の大きさを評価してイチローを「球団史上最高の控え選手」に選出した。

イチローはマーリンズで過ごした3年間で51本の代打安打を記録。これはウェス・ヘルムズの56本に次いで球団史上2位の数字となっている。

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