熊本県内の障害者事業所、イベント中止で減収 販路拡大へ通販も

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自主製品の菓子を作るテクニカル工房の利用者ら=合志市

 新型コロナウイルスの影響で、イベントなどに出店しパンや弁当といった自主製品を販売していた熊本県内の障害者就労継続支援事業所が窮地に立たされている。緊急事態宣言は解除されたものの販売機会の回復は見通せず、収支が悪化。一方で熊本市のNPO法人が事業所製品のオンラインショップを企画するなど、販路拡大に協力しようという動きも出始めた。

 「厳しい状況は続くが、工賃は今まで通り払い続けたい」。今月1日、合志市御代志の就労支援センター「テクニカル工房」の朝礼で、山本今朝一施設長が利用者に約束した。

 同工房は36人が通い、パンやクッキー、弁当などを製造。熊本市内の病院売店で販売するほか、学校や老人ホームへの訪問販売、地元の祭りなど各種イベントへの出張販売で事業を継続してきた。脊髄性筋萎縮症で車いすを使う男性利用者(58)は「仕事は生きがい。社会と地域の一員として働き続けたい」と話す。

 ところが新型コロナの影響で3月以降イベントの中止が相次ぎ、9月までに予定されていた計16のイベントや定期販売会の予定が消えた。4月の売り上げは前年同月に比べ3割減。5月も3割減の約90万円にとどまる見通しで、利用者の工賃約60万円のほか光熱費、材料費などの経費を差し引けば赤字は免れない。

 工房は注文販売を増やそうと、商品紹介のチラシを150枚製作。熊本市や合志市の企業などに配って利用を呼び掛けているが、山本施設長は「6月以降も3~4割の減収となる見通しで非常に厳しい」と語る。

 障害者の就労支援に取り組む熊本市のNPO法人「KP5000」は4月下旬、同市内の障害者就労継続支援事業所などを対象にアンケートを実施。回答した36施設のうち28施設が「コロナの影響が生じている」と答え、「商品やサービスの売り上げ減少」を挙げたのは過半数の19施設に上った。

 これを受け、同法人は事業所の商品を販売するオンラインショップを計画。同市内を中心に数十施設に参加を呼び掛ける予定で、6月中の開設を目指している。原田文子代表は「自主製品の販売先がなくなり、在庫を抱えている事業所が多い。広く販路開拓に取り組みたい」と話す。(木村恭士、福井一基)