「ミライon図書館」1カ月ぶり開館 各文化施設に再開の動き 新型コロナ施設対策継続 長崎県美術館など25日から

新型コロナウイルス感染拡大防止のため臨時休館していた大村市のミライon図書館が19日、約1カ月ぶりに再開。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため臨時休館していた大村市東本町のミライon図書館が19日、約1カ月ぶりに開館。利用を30分程度に制限するなどの対策を取っているが、午前中から多くの人が訪れた。長崎市の県美術館などは25日から開館を予定。長崎県の緊急事態宣言解除(15日)を受け、県内の大型文化施設に再開の動きが広がる。

 同図書館は4月18日から臨時休館し、5月25日まで休館の予定だったが前倒しして開館した。▽来館者にマスク着用、消毒を徹底の上、館内滞在を30分程度にするよう要請▽平日の開館時間を午前10時~午後6時(通常は同8時)に短縮▽グループ学習室や2階、4階の閉鎖-といった対策を実施。イベントやホール利用の中止も継続する。
 19日は午前10時の開館直後から、マスク姿の市民らが次々と来館。熱心に本を探したり、ビニールシートが張られたカウンターで返却や貸し出しの手続きをしたり。ミステリー小説5冊を借りた大村市玖島2丁目の中村健さん(54)は「よく借りに来ていたので、オープンして良かった」と明るい表情だった。
 同図書館の渡邉斉志館長は「感染防止のため利用に制約があるが、本を借りて自宅でゆっくり読んでほしい」と述べた。
 長崎市出島町の県美術館は25日から開館予定。同館のコレクション展などが鑑賞可能になる。来館者には体温測定し、感染発生時に備え連絡先も記入してもらう見通し。同館企画経営グループの石丸能邦リーダーは「作品鑑賞や発表の場を提供できるのはうれしいが、できる限りの対策を取らなければ」と頭を悩ます。
 同市立山1丁目の長崎歴史文化博物館も25日に開館後、開館時間を午後5時までに短縮した上で来館者の検温、連絡先を聞くといった対応を予定。県外からの来館は当面、自粛を呼び掛ける。木幡明彦副統括マネジャーは「ようやくという気持ちもあるが、安全確保を徹底したい。開館後は皆さんに元気を与えられたら」と語った。
 佐世保市三浦町のアルカスSASEBOも25日から再開を予定。4月に予定していた開館20周年記念式典の中止など、自主・共催事業は6月分まで中止か延期が決まっている。力武由美子事業部長は「早くコロナ感染が広がる前の状況に戻ってほしい。催しを通じて心に潤いを与えるお手伝いができれば」と話した。

親子向けの「こどもしつ」を利用する来館者=大村市、ミライon図書館
入館口に非接触型体温計を設置するなど再開の準備が進む県美術館=長崎市出島町

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