宇久メガソーラー 県北10漁協が反対表明 「漁業環境が悪化する」

宇久島でのメガソーラー計画に反対すると表明する県北地区の漁協の組合長ら=佐世保市漁協

 九電工(福岡市)などが佐世保市宇久島で建設を計画する大規模太陽光発電所(メガソーラー)について、県北地区の10漁協は19日、島から本土へ送電する海底ケーブルの敷設などにより「漁業環境が悪化する」として、計画への反対を表明した。
 同発電所は、島の面積の約3割に当たる約700ヘクタールに太陽光パネル約150万枚を設置する計画。最大出力は国内最大級の480メガワットを想定。2023年度の売電開始を目指している。売電には島から本土までの間に約64キロの海底ケーブルを敷設する必要がある。
 佐世保市北部、平戸、松浦両市など11漁協の代表らが19日会見。うち10漁協は、敷設ケーブルが刺し網漁やタコつぼ漁の支障になるほか「(電流による)水温上昇で環境が悪くなる可能性がある」と懸念。島へのパネル設置も「森林伐採で海へ流れる養分が減り、良質な漁場を失う」とした。宇久小値賀漁協は賛否を「白紙」とした。
 事業会社は13年から漁協側に計画を説明。県北漁協組合長会の片岡一雄会長は「自然を守るために絶対反対だと言ってきたが、(計画を)強引に進めている。お金(補償)では動かない」と強調した。
 県によると、一般海域でのケーブル敷設は県条例に基づく「地元関係者の合意」が必要となる。九電工は取材に対し「納得してもらえるよう丁寧に説明する」としている。


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