ヴェネズエラ、英中銀に金準備の放出を法的請求 経済ひっ迫

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ヴェネズエラの中央銀行は、イングランド銀行(英中央銀行)に対し9億3000万ユーロ(約1兆9600億円)相当の金準備の放出を求める法的請求を英ロンドンの裁判所に提出した。

アメリカによる経済制裁下にあるヴェネズエラは、金を新型コロナウイルス対策に充てたいとしている。

裁判資料によると、ヴェネズエラの中央銀行は食料や医薬品といった支援物資を購入するため、「緊急を要する問題」として国連機関への送金を望んでいる。請求は14日にされた。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、日本時間20日午後14時時点で、ヴェネズエラでは749人が感染し、10人が死亡している。

ニコラス・マドゥロ政権下のヴェネズエラ経済は崩壊状態にある。イギリスやアメリカを含む十数の国は、マドゥロ氏を大統領として承認していない。

近年、数百万人もが国外に逃亡しているほか、必需品の不足が国内に広がっている。

国際社会からの厳しい経済制裁を受けるマドゥロ政権にとって、金準備の売却は経済的生命線となっている。

ヴェネズエラの中央銀行は、医療機器などの必需品の購入を管理するため、資金を国連開発計画(UNDP)に送金したいとしている。

「人命が危険にさらされている今、政治的な点数稼ぎを試みる時ではない」と、ロンドンを拠点とする弁護士で、ヴェネズエラの中央銀行の弁護人を務めるサロシュ・ザイワラ氏は声明で述べた。

国連はBBCに宛てたメールでの声明で、ヴェネズエラの中央銀行からそのような仕組みを探るよう打診されたとだけ明かした。

多数の発展途上国の金の保管役を担うイングランド銀行は、ロイター通信からこの件について問われると、コメントを拒否した。

今回の法廷争いは、ヴェネズエラの古い医療制度が新型ウイルスの深刻なアウトブレイク(大流行)に対処する上で機能するかどうか懸念される中で起きた。

ヴェネズエラでは3月のマドゥロ氏の非常事態宣言以降、封鎖措置が敷かれている。

(英語記事 Venezuelan bank files claim over gold in UK vaults