ホリエモン「都知事選立候補」は天才編集者・箕輪氏“キスがしたい事件”を揉み消してしまうのか

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ホリエモンこと堀江貴文氏が次の東京都知事選(6月18日告示、7月5日投開票)に立候補の意欲を見せたとの報道が流れました。

関係者の証言によれば、堀江氏が立候補する可能性は「99%」とのことで、正式な出馬表明は告示直前と見られています。

以前から出馬の意向を示していた「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首は、親交のあった堀江氏と継続的に協議を重ねており、「堀江さんが出るなら取りやめる」と話しているとも伝えられました。

また、現職の小池百合子都知事は、堀江氏の立候補報道に対して「ご所感は?」と取り巻きの記者に聞かれてこう答えしました。

「とくにございませんけれど、まあ賑やかなこと、という感じ」

「余裕の返し」とはこういった言葉を指すのでしょうが、堀江氏の出馬は「勝ち負け以前の問題」であると言わんばかりに一蹴しました。

しかし、堀江氏にとってはそれこそ「想定内」であるかもしれません。

「当選が目的ではない」

そう、堀江氏自身が語っていると伝えられているからです。

では、何のために都知事選に立候補するのでしょうか?

その立候補の理由を示すかのように、時を同じくして堀江氏の著書『東京改造計画』(幻冬舎)の発売予約が開始されました。その本は、堀江氏が「東京都への緊急提言37項」として一冊にまとめた、ほとんど「マニフェスト」か「公約本」のような体裁です。

中身を見ずとも「読者=有権者」に伝わるように、外側の裏表紙に37個の「提言=公約」らしきものがズラリと並んでいるのです。

そのラインナップは、革新的なものから炎上しそうなものまで、良くも悪くもホリエモン節全開です。

《1・本当の渋滞ゼロ 2・ETCゲートをなくす 3・パーソナル・モビリティ推進都市に 4・満員電車は高くする 5・切符も改札機もなくす 6・現金使用禁止令 7・東京メトロと都営地下鉄を合併・民営化する 8・Uber解禁 9・東京都の空が空いている 10・江戸城再建 11・VRのインフラを整える 12・足立区は「日本のブルックリンに」に生まれ変わる 13・築地・豊洲市場改革案 14・築地市場跡地のブランド化 15・オリンピックはリモート競技に 16・オンライン授業推進 17・紙の教科書廃止 18・学校解体で子どもの才能を開放する 19・「正解」を教えない教育 20・大麻解禁 21・低用量ピルで女性の働き方改革 22・健康寿命世界一 23・「ジジ活」「ババ活」で出会い応援 24・東京のダイバーシティ 25・ストップ・インフォデミック 26・経済活動を再開せよ 27・今こそネット選挙を導入せよ 28・QRコードで投票できる 29・記者会見なんてオンラインで開けばいい 30・都職員の9割テレワーク化 31・都職員の英語公用語化 32・東京都をオール民営化 33・「妖精さん」のリストラ計画 34・遊び場を増やす 35・限りなく生活コストを下げる 36・人生100年時代のコミュニティ 37・都民限定の無料オンラインサロン》

ここに並んだ提言だけでお腹いっぱいといった感じですが、よくよく見ると、堀江氏が常々、ネットやテレビや各所で語ってきたことをまとめた形になっています。

このホリエモン節をまとめた編集者が、「言わずと知れた天才編集者」と“自称”している幻冬舎社員の箕輪康介氏です。

箕輪氏と言えば、テレビやネット番組にも出演して一部では有名でしたが、エイベックス会長・松浦勝人氏の「自伝」の執筆を依頼した女性ライターのA氏に対するセクハラ及びパワハラ行為を『週刊文春』で告発されたばかり。

その内容は、仕事を依頼する版元の編集者と請け負う外注ライターという圧倒的な力関係の差がある中で、幻冬舎の箕輪氏からA氏に依頼して取材・執筆させたにもかかわらず、幻冬舎社長の見城徹氏からNGが出たという「幻冬舎の一方的な都合」により、あっさり「無報酬」にしたという…社会人としてありえない究極のパワハラに対する告発でした。

さらに、その後に担当編集者として何とか労働の対価を工面しようとするどころか、今後の仕事を失う恐怖から断れないA氏に対して、「何もしないから」と女性宅にごり押しで乗り込んで、「でもキスがしたい」と性行為に及ぼうとしたというセクハラどころかレイプ未遂ともいえる…事実であれば、人としてもありえない「一発アウト」の行為を告発されたのです。

そんな箕輪氏に対して、告発を知った人たちからSNSを通して猛抗議のリプライが続々と入りますが、いずれも非表示にしたりブロックにしたりと完全スルー。

挙句の果てには、箕輪氏が何の謝罪も弁明もしていないにもかかわらず、箕輪氏のファンらしき人達からの「ハニートラップだ」などと根拠のない反論は放置するという開き直りの状態です。

そんな怪しい雲行きの中、自称「言わずと知れた天才編集者」の箕輪氏が、堀江氏の「都知事立候補報道」と抱き合わせて、『東京改造計画』をバカ売れさせたのです。

ネットやSNS上で大反響となり、初版3万部が予約開始からすぐに2万部の増刷がかかり、Amazonのランキング1位をうかがう爆発的なスタートとなりました。

発売前ですから当然、本の中身は読めませんし、もちろん読者の感想も分かりません。しかし、堀江氏の人気と立候補報道のタイミング、そして公開した37の提言だけで「売った」と言っても過言ではありません。

その結果、何が起こったか――?

「強制性交未遂」や「ギャラ踏み倒し」などどこ吹く風…と言わんばかりに箕輪氏のツイッターは、『東京改造計画』を予約した人たちのリツイートで一色となりました。

今後もこの本の話題が都知事選まで1カ月以上続き、世間の興味も著者の堀江氏自身に発言や行動に注がれ、都合よく黒子の編集者に徹することが予想できます。

おそらく、このまま「なかったこと」にしようとしているのではないでしょうか。

先日、箕輪氏がスキャンダル発覚後に、曜日レギュラーとして『スッキリ』(日本テレビ系)に出演したことで波紋を呼びました。今後も出演が続くようなら、『スッキリ』が、箕輪氏の問題は「問題ではない」と公表していることになります。

ただ、ひょっとしたら『スッキリ』に限らず、テレビ業界にとってセクハラ及びパワハラ行為は、大したことのない「よくある話」なのかもしれません。

箕輪氏は、敬語を使うA氏に対して「タメ口」で応じていたことが、『週刊文春』の報道で明らかになっています。外注のライターに対して「タメ口」をきくなどの箕輪氏の振る舞いは、有名無名問わず、書き手を重んじるはずの出版業界人というより、下請けを使い捨てにするテレビ業界人的な態度のようにも思えるからです。

もしも、箕輪氏の問題をスルーしたまま、堀江氏の本の話題だけをテレビ局が取り上げ続けるとしたら、東京都どころか日本の未来は、相当に暗いかもしれません。(文◎編集部)