長崎クルーズ船集団感染 38人いまだ陽性、21人が21日帰国

 長崎市の三菱重工業長崎造船所香焼工場に停泊しているクルーズ船コスタ・アトランチカ(イタリア船籍、8万6千トン)で新型コロナウイルスの集団感染が発生した問題で、県は20日、18日に実施した陽性者の再検査で、61人中18人が陽性だったと発表した。14日の検査で判明した20人と合わせ、38人が陽性のままとなっている。
 船は当初623人の乗組員がおり、149人の陽性が確認され、うち6人が入院した。運航会社「コスタクルーズ」は船内の陽性者の帰国と出港に向けて、14、18、21日の日程で再検査。18日までに全員が一度目の検査を終えた。
 県によると、同社は今月末までの出港を目指しているが「陽性者がいたら出港は難しい」としている。21日以降、帰国に2度の陰性確認が必要な乗組員と、陽性者の検査を続ける。県の中田勝己福祉保健部長は「陽性という結果が出ているが、数値を見るとウイルス量が少ない方も多い。数多く検査する形で早く陰性が確認できるように対応してもらっている」と述べた。
 また、21日には、長崎市内の指定医療機関に入院している5人の乗組員のうち、40代と50代の男性2人が退院し、帰国することも明らかにした。陰性1人と再検査で陰性が確認された18人も下船し、帰国する予定。
 20日は当初から陰性だった乗組員2人が帰国の途に就き、帰国者は計306人となった。


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