「21世紀最高の選手」は通算656本塁打のエンゼルス・プーホルス

日本時間5月21日、メジャーリーグ公式サイトのコラムニストであるマイク・ルピカは「the Player of the Century」、要するに「21世紀最高の選手」についての特集記事を公開した。ルピカは「2010年代最高の選手」がマイク・トラウト(エンゼルス)であることに疑いの余地はないとしつつも、トラウトはまだ「21世紀最高の選手」には達していないという。ルピカが「21世紀最高の選手」に選んだのはトラウトの同僚でもあるアルバート・プーホルスだ。

2001年にカージナルスでメジャーデビューを果たしたプーホルスにとって、新型コロナウイルスの影響により開幕が遅れている今年はメジャー20年目のシーズンとなる。デビューから10年連続で「打率3割・30本塁打・100打点・OPS.950」をクリアし、メジャー19年間で3202安打、656本塁打、2075打点を記録。2001年に新人王、2005年、2008年、2009年にMVPを受賞し、2006年と2011年にはカージナルスの一員としてワールドシリーズ制覇も経験した。

プーホルスは総合指標のWAR(Baseball-Reference版)で通算100.8を記録しているが、100を超えている野手はメジャー史上21人しかおらず、もちろん現役選手ではプーホルスが唯一である。すでに40歳となり、全盛期の輝きはすっかり失われてしまったが、だからといってプーホルスがこれまでに積み上げてきた驚異的な数字を否定することはできないだろう。

2021年限りでエンゼルスとの10年契約が終了するプーホルスにとって、新型コロナウイルスの影響により今年が162試合制で開催できないのは通算700本塁打などの大記録を目指すうえで小さくないダメージとなる。しかし、プーホルスは「来年が契約最終年になるけど、それは引退を意味するわけではない」とも語っており、2022年以降も現役を続行する可能性がある。あと44に迫っている通算700本塁打だけでなく、あと222に迫っているハンク・アーロンの通算打点記録(2297)の更新も十分に射程圏内だ。

ルピカはトラウトについて「彼が野球に関してできないことは、ワールドシリーズに進出するために必要な優れた選手を自分の周りに集めることだ」と述べている。驚異的なペースでWARを積み重ね、現在の球界における最高の選手と認識されているトラウト。しかし、本当の意味で「球界の顔」となるためには、ルピカが指摘するように、ワールドシリーズの舞台で活躍し、チャンピオン・リングを手にすることが必要なのかもしれない。

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