自宅でできる芸術鑑賞 岡本太郎美術館が展示動画制作、VRも

フランスの芸術家バシェ兄弟の音響彫刻と岡本太郎の作品が共演する企画展(川崎市岡本太郎美術館提供)

 川崎市岡本太郎美術館(同市多摩区)は、フランスの芸術家・バシェ兄弟と岡本太郎の作品を紹介する動画をホームページで公開している。新型コロナウイルスの感染拡大で、4月下旬から開催予定だった企画展が中止に。そこで一般社団法人「VR革新機構」と協力し、展示作品の動画を制作した。1970年の大阪万博の会場を彩った2組の芸術家が50年ぶりに、オンライン上で“共演”する。

 フランソワ・バシェとベルナール・バシェは、誰でも自由に演奏できる楽器であり、オブジェでもある「音響彫刻」を生み出したことで知られる。その作品が大阪万博の鉄鋼館に展示され、「太陽の塔」などを制作した岡本とともに来場者を魅了した。

 同館は当初、企画展「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」を4月25日から開催する予定だった。だが新型コロナウイルスの感染拡大で臨時休館に。そこで自宅でも芸術に触れられるよう、展示作品をパソコンやスマートフォンで鑑賞できる無料動画を同機構と撮影した。

 動画は5本用意し、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」を活用。企画展のものはバシェ兄弟の音響彫刻5基と、岡本の彫刻や絵画、レリーフなど約30点を鑑賞できる。同館のエントランスや常設展示も撮影。専用のゴーグルなどを装着すれば、仮想現実(VR)映像でも楽しめるようにした。同館は「これを機に、遠方で日頃来館できない方々にも楽しんでもらえたら」と話している。

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