夏の甲子園中止 太田幸司さんがメッセージ/八学光星OB 巨人・坂本とロッテ・田村も

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 1969(昭和44)年、第51回全国高校野球選手権決勝で延長十八回と翌日の再試合を投げ抜いた三沢高校の元投手太田幸司さん(68)が20日、東奥日報の取材に応じた。球史に残る死闘を演じ準優勝したエースが、青森県の球児たちに対して励ましのメッセージを送った。また、八戸学院光星OBのプロ野球選手2人も同日、球団を通じてコメントを発表した。

 <太田幸司さん> 現状を考えれば、これは致し方ありません。感染者も、緊急事態宣言対象地域も少なくなりました。それなのに-と思う人もいるかもしれません。でも球児の命や健康を考えたら、厳しいでしょう。妥当な判断だったと思います。

 51年前を思い出します。あの夏、私の人生は180度変わりました。まるで宝くじに当たったように。

 みんなに「あの夏が一番の思い出なんでしょ」と言われます。でも違います。自分にとって高校時代のトータル3年間がかけがえのない財産だったんです。しごかれ耐えた1、2年生時代。中学から一緒だった仲間と随分しんどい思いをしてきました。全て不条理そのもの。でもその中で歯を食いしばってきた時間が、生きる糧となりました。

 球児に今、慰めの言葉を掛けても、受け止められないかもしれません。目指してきたものが目の前でぱっとなくなる。十数年しか生きていない生徒にとって、これほどの試練はないでしょう。でも自暴自棄になってはいけません。神様が与えてくれた試練だと思ってください。前を向いて次のステップに進むことは、甲子園に出場するよりもずっと価値があります。

 いずれ就職し、家庭を持つでしょう。くじけそうになるときが何度も訪れます。「あんな大きな試練を乗り越えたんだぞ」と後々振り返り、胸を張れる日が必ず来ます。私は皆さんの先輩として、さらに強い人間に成長し、前に進んでいくのを信じています。人生はひたすら頑張るしかないのですから。

 <おおた・こうじ 三沢市出身。三沢高のエースとして1968年夏から3季連続で甲子園に出場。69年夏の決勝では、松山商との延長十八回と再試合の計27回を1人で投げ抜いた。ドラフト1位で近鉄に入団。巨人、阪神にも在籍し通算58勝。野球解説者、日本女子プロ野球機構スーパーバイザーを務める。兵庫県宝塚市在住>

 

「人生のプラスに」「次の夢つくって」/光星OB プロ選手メッセージ

 全国高校野球選手権の中止を受け、八戸学院光星OBのプロ野球選手2人が20日、球団を通じてコメントを発表した。坂本選手は高校3年のときにセンバツに出場。巨人入団後は攻守でチームをけん引してきた。田村選手は2011~12年、甲子園3季連続準優勝に大きく貢献。千葉ロッテの正捕手として投手陣を好リードしている。

 <巨人・坂本勇人内野手> 3年間野球を続けることは必ず今後に生きてくると思うし、人生長い中で苦しいことや悲しいことがまだまだある。その時にこの経験が人生のプラスになると思う。

 <千葉ロッテ・田村龍弘捕手> 甲子園中止の報道を聞いて本当にショックですし僕のように甲子園出場を目指して(大阪から青森へと)親元を離れた選手の気持ちを考えると言葉が見つかりません。すぐには気持ちを切り替えることはできないと思いますが、何とか次の夢や目標をつくって頑張ってほしいと思います。