TCRスカンジナビア・シリーズこと、STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権を運営するSTCC ABは、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行により開幕延期となっている2020年の改訂版カレンダーを発表。レースウイークエンドは全部で4戦に削減された上、そのすべてを無観客で開催することも明かされた。
「今季のSTCCシーズンは、夏の終わりから秋にかけて安全な方法で開催できるよう取り組んでいる」と語るのは、STCC代表のミュッケ・ベルンだ。
「我々は現在の状況のなかで可能な限り最良の方法で、家庭にいるファンに素晴らしいモータースポーツ体験をもたらすことに積極的に取り組んでいる。そして広範囲のブロードキャスティングについて、より多くの詳細を近日中にも明らかにしたいと考えている」
現在スウェーデンでは50人を超える規模の集会やイベントが禁止されており、STCCではこの障害を乗り越える策として全レースを無観客で開催する方針を固めている。
「我々はスウェーデン当局とスウェーデンのモータースポーツ連盟の規制に従い、状況が整ったときに安全な方法でレースを開始したい。関係者全員の健康が最優先事項だ」と続けたベルン代表。
「カレンダーはまだ暫定版の扱いであり、とくに序盤戦の状況には注意を払う必要があることを強調したい。少なくとも、開幕からの2戦は無観客でのイベントになるだろう」
「その後の2戦も同じ形態を採用する可能性が高いと考えてるが、つねに最悪の事態を想定し最善を尽くしていきたい。シーズン後半にサーキットで観客のみなさんとレースを楽しむ機会が実現する条件が整えば、それはボーナスだと感じている」
■パンデミックの影響をうけた2020年は8月と10月に集中開催へ
2020年シーズンは8月15~16日のカールスクーガ、ゲラーローゼン・アリーナで開幕し、同月28~29日にはシェレフテオのドライブセンター・アリーナで第2戦を実施。後半2戦は連戦となり、10月2~3日にマントープパーク、同9~10日のリング・クヌットストープでシーズンフィナーレを迎える。
「関係者全員にとって、現状を考えればSTCCが提案した改訂版カレンダーこそ最善の解決策であると判断している」と語るのは、5度のSTCCチャンピオンであり、現在はゲラーローゼン・アリーナの共同オーナーでもあるリチャード・ゴランソン。
「我々は安全で魅力的な方法でレースを実施するために、適切な条件を重視する必要がある。そのために、今季はコンパクトで激しいシーズンを迎えることになるだろう」
開幕前公式テストは7月2日にゲラーローゼン・アリーナで実施され、9月11日にはマントープパークで公式インシーズンテストが予定される。この改訂版によりカレンダーから消滅したのはファルケンベリと、初年度を迎えるTCRデンマークとの共催が予定されていた“コペンハーゲン・グランプリ”の2戦となっている。
現時点で2020年のSTCCには盟主PWR Racingのロバート・ダールグレン、ミカエラ-アーリン・コチュリンスキーを筆頭に、アウディRS3 LMSの3台体制を維持するBrink Motorssportなど14台のエントリーが確定。STCCによれば開幕戦前までにはさらに多くのドライバーをアナウンスできるとしている。
■STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権 2020年改訂版カレンダー
Round Date Circuit
1 8月15~16日 ゲラーローゼン・アリーナ(カールスクーガ)
2 8月28~29日 ドライブセンター・アリーナ(シェレフテオ)
3 10月2~3日 マントープパーク
4 10月9~10日 リング・クヌットストープ