アート界はコロナ危機にどう対応しているか Part2(随時更新)

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展覧会やアートフェアの中止、延期、行動制限など、新型コロナウイルス感染拡大の影響が様々に及ぶなか、国内外のアーティストや関係者はそれらにどう向き合っているのか。彼らが起こすアクションと取り巻く状況を記録し、順次アップデートしていく。(最終更新:5月21日 20:00)

2020年3月13日から5月19日までの約2ヶ月間、211件のニュースを掲載したPart1はこちらから。

新型コロナウイルスの影響で開廊延期が決定したハウザー&ワース・メノルカのVR展示「Beside Itself」

5月21日 20:00更新

▼日本国内の動き

◎横浜市が独自の文化芸術支援
横浜市は新型コロナウイルス感染拡大により経済的困難に陥っているアーティストや文化芸術分野の事業者が活動継続のための支援金給付を決定。内容は活動再開にかかる経費、現在行なっている文化芸術活動の経費、活動再開時の感染症拡大防止策の経費の3つで、すべて活動経費に使用されることが目的。対象者は、市内在住または市内に活動拠点を置き、美術、音楽、映像、舞踊、伝統芸能などで過去1年以内に対価を得た活動実績がある者。企画、制作や運営を行う事業者や施設運営者なども応募できる。最大30万円の支援で、450件程度を採択予定。申請期間は5月28日から6月10日となっている。
https://covid19.yafjp.org/grants1/

◎「チームラボ」が来館者システムをリリース
美術館、博物館、水族館、遊園地などの施設の新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、デジタルコンテンツ制作会社「チームラボ」は時間制来館者システム「チームラボチケッティングシステム」をリリース。時間指定チケットをオンラインで販売するなど施設やイベントでの時間あたりの人数を管理できる。QRコードチケットとなるため専用機器などは必要なく、導入は最短で1ヶ月可能。
https://www.team-lab.com/ticket/

チームラボチケッティングシステム

▼海外の動き

◎ユネスコと国際博物館会議は世界の約13%のミュージアムが再開不可能と報告
国連機関のユネスコと国際博物館会議(ICOM)は新型コロナウイルス感染拡大による博物館や美術館への影響を調査し公開。パンデミック以降、世界の美術館・博物館の約90%にあたる8万5000館が休館し、そのうち約13%が再開不可能と発表。またアフリカやカリブ海、太平洋の小国では、オンライン事業を展開する美術館・博物館はわずか約5%にとどまっていることも報告された。ユネスコとICOMは今回の調査に基づき、世界の美術館・博物館への近日中の支援を予定。
https://en.unesco.org/news/covid-19-unesco-and-icom-concerned-about-situation-faced-worlds-museums

◎アメリカ博物館協会が議会に約4300万円の予算割り当てを要請
アメリカ博物館協会(American Alliance of Museums)はアメリカ合衆国議会に対し、新型コロナウイルス感染拡大による深刻な経済的危機を受ける非営利の美術館・博物館全体に対して予算40億ドル(約4300万円)の割り当てを要請。全米の美術館・博物館閉鎖は1日に少なくとも3300万ドル(約36億円)の損失を発生させ、地方の小規模な美術館・博物館の約30%が、緊急の大規模財政支援なしには再開不可能であることを強調した。
https://hyperallergic.com/548549/4-billion-for-museums-congress/

◎パンデミック下で対話を呼びかけるオンライン展示
美術批評家でキュレーターのバーバラ・ポロックとニューヨーク拠点キュレーターのアン・バーハーレンは3月14日に共同でオンライン展覧会「こんな時代にアートをどう捉えよう?(How Can We Think of Art at a Time Like This?)」をスタート。パンデミック下で人々が社会的距離を保つなか、展示が意見交換の場、アートで対話する場として機能することを目指している。現時点ではアルフレッド・ジャー、ローリー・シモンズ、日本からは束芋やChim↑Pomなど約30名の参加が発表されている。
https://artatatimelikethis.com/

◎アメリカのアートディーラーの収益73%損失、世界のギャラリーの3分の1が倒産危機
5月19日、非営利組織「アメリカ・アートディーラー協会(ADDA)」は新型コロナウイルス感染拡大によりアートディーラーが受けた被害調査を発表。第2四半期会計期間における収益が73%損失することを見込んでいる。また世界の約3分の1のギャラリーがこの経済危機を乗り越えることができないと報告。ADDAは非営利団体「ニュー・アート・ディーラー・アライアンス(NADA)」と協力し、支援法案の可決へ議会に働きかけている。
https://artdealers.org/about/survey
https://www.theartnewspaper.com/news/adaa-covid-19-report

◎誰でもバーチャル展示可能なツール
イギリスの文化と教育の慈善団体「Art UK」は誰でもバーチャル展示ができる無料オンラインツール「Curations」をリリース。4万6000人のアーティストによる25万点から自ら作品を選びキュレーションが可能。自分のつくった展示にコメントやメモの追加する機能や、作品整理、公開設定、SNSで共有する機能も備えている。「Art UK」はパンデミックによる自粛期間でもこのツールを通してアートに触れてほしいと利用を呼びかけている。
https://www.artuk.org/discover/stories/art-uk-launches-curations-what-will-you-make-of-it

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