『とくダネ!』小倉智昭が甲子園中止について「やりたい気持ちは分かりますよ」 当事者の球児を無視する発言はもはや老害!?

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コロナ感染拡大防止を理由にして、毎年甲子園で行われる夏の全国高校野球大会が中止となってしまいました。

中止を判断したのは主催者の「高野連」こと高校野球連盟であり、大会会長の朝日新聞社・渡辺雅隆社長らが5月20日の会見で中止を通達しました。

その翌日の5月21日、『とくダネ!』(フジテレビ系)に出演した社会学者の古市憲寿氏が、この一方的な判断に異論を唱えました。

「いろいろな開催の仕方を考えられなかったのか。毎年イベントとして観客を呼んでお金を取ったり、テレビで放送してきた大人たちが、他のやり方を考えつくしたようには見えない」

そんな旨のコメントを出した古市氏。

実際、朝日新聞の渡辺社長は会見でこう語っていました。

「高校野球はこれからも続きます…全国の高校野球ファンの皆さまには、これまでと変わらぬご声援をお願いできればと思います」

会見中の大半は、中止の判断に及んだコロナ感染に対する危惧や、高校球児への労いの言葉でしたが、最後の方で出した言葉が「高校野球ファン」です。

なぜ、涙を飲んでいるはずの高校球児だけでなく、監督でも家族でもない「高校野球ファン」に言及したのでしょうか?

本来、高校野球自体は一部活動に過ぎないはずです。他の運動部の部活動と同じく、野球部部員は道具代や遠征費等でお金が出ていくことはあっても、お金を貰うことなどありません。

一方で、お金を稼ぐコンテンツとして、古市氏が言う「大人たち」が商売としています。

毎年、朝日新聞が主催する夏の甲子園は、当然のように有料で観客を入れて、カードによっては連日満員。NHKの放送では高視聴率を獲得する、いわば「ドル箱」のコンテンツとも言えます。

そのお客様である「高校野球ファン」なくして、このイベントは成り立たない…つまり、「無観客開催」等は念頭にないことを会見の発言で露呈させたようなものです。

「他にやり方がなかったのか」

そんな正論ともいえる異論を述べた古市氏は、番組MCの「スポーツ通」小倉智昭氏に「どうなんですかね?」と尋ねます。

すると、小倉氏は「仕方がない」「高校野球だけ優遇するわけにはいかない」など、通り一辺倒のことを言います。

しかし、高校野球だけを優遇していたのは、それを金に換えてきた大人たちの側です。

それでも、古市氏は「野球は外でやる競技ですし、色々な形を考えられないのか」と食い下がりますが、「夏休みしかできない」「甲子園にはプロ野球のスケジュールもある」など、完全にすれ違いの発言を繰り返します。

そして小倉氏はしかめっ面のまま、最後にこう言い放ちます。

「やりたい気持ちは分かりますよ」

今回の夏の高校野球中止を受けて、甲子園を目指していた様々な高校の野球部が報道されました。

涙を流す選手たちに対して、各校の監督たちが共通して口にしていた言葉がありました。

「みんなの気持ちが分かるなんて言えない」

高校3年生にとっては、春の高校野球も中止になってから目指していた、唯一で最後の大会です。来年以降も高校野球に関われる監督たちが、「気持ちは分かる」などと言えないのは、選手たちは夏の甲子園、そして地方大会にかけてきたことを誰よりも知っているからでしょう。

甲子園で春夏連覇を遂げてプロ野球入りした横浜高校出身の松坂大輔(西武ライオンズ)は、あきらめられるはずもない選手を思って、こうコメントを出しています。

「本当の苦しさは当事者にしか分からないですから。事実をどう受け止め、次に向かうかという問いに答えも見つかりません。甲子園というものは、それだけ大きな存在です」

それを「前から私は言ってきたんですよ、野球だけが優遇されるのはおかしい」と吐き捨てた小倉氏が、どうして、「やりたい気持ちは分かりますよ」などと言えるのでしょうか?

小倉氏のコメントは、老害とも暴言とも取られて当然でしょう。

ひょっとしたら、元々「スポーツに興味ない」と公言していた古市氏の方が、「スポーツ通」を自称する小倉氏より、はるかに選手たちのことを考えていたのかもしれません。(文◎編集部)