もう限界! 長引く自粛生活で、夫婦の不満が爆発
新型コロナウィルスの影響によるステイホーム生活が長期化するにつれ、「コロナ離婚」という言葉がささやかれるようになりました。
女性向け総合メディア「Lip Pop」が、4月27日に行ったネットリサーチによると、回答者の23%が、「コロナをきっかけに離婚を考えるようになった」または「コロナが離婚の後押しになりそう」と答えました。
「(今後)離婚を考えるようになりそう」と、離婚への発展をほのめかした人も15%います。アンケート回答者のおよそ8割が女性でした。
離婚を考えた、もしくは考えるかもしれない理由を尋ねると、「夫が在宅勤務になり、昼食のしたくなど家事が増えた」「夫が家事や育児を手伝わない」「ひとりの時間がなくなったことがストレス」「経済的なことで夫婦喧嘩」などが挙げられたそうです。
限られた空間で一緒に過ごす時間が増えると、夫婦間の「適度な距離」を保つことが難しくなるのかもしれません。
不満はコロナとともに消える? 衝動的な離婚は得策でない
離婚が頭をよぎったとして、実際に行動を起こす人がどのくらいいるでしょう。
以前から不仲で、離婚の意志がほぼ固まっていた夫婦にとって、コロナが「後押し」となる可能性はあります。しかし、直接的な離婚原因にはなり難いのではないかと筆者は考えます。なぜなら、アンケートで挙げられた不満のほとんどは、コロナ収束後に解消されるからです。
以前のように配偶者が出勤するようになれば、平日は昼食を作らなくてもいいですし、ひとりの時間をもつこともできます。
家事や育児を手伝ってくれないのは、コロナ以前からではないでしょうか。今なら話し合う時間がたっぷりありますから、役割分担を決めてしまってもいいですね。
収入についての不満は離婚では解決しません。離婚すれば一層、経済的な不安は拡大するはずです。謹慎生活のストレスが溜まりがちなこの時期に、喧嘩した勢いで離婚届を出すのは得策でない気がします。
コロナによってあらわになった生存本能と、変化する人生観
新型コロナウィルスにより、旅行や食べ歩き、他者とのふれあいなど、「これまで当たり前にできていたこと」ができなくなり、幸せの本質について考えさせられました。
また、コロナに感染した著名人や身近な人たちの悲報を聞き、私たちは「死」というものを具体的にイメージしました。
不安をあおられた人々による日用品の買い占めで、マスクやトイレットペーパーが一時的に品薄になった地域もあります。自分の命と健康を守るために必死だったのでしょう。
自分にとって、真に大切なものは何か。どう生きるべきかではなく、どう生きたいのか。コロナショック後の人々の価値観に、変化が現れてくるかもしれません。
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筆者が4度目の結婚をした理由
命・健康・家族。この3つは、人間の幸せを支える大切な要素だと考えられます。
命と健康が大切なのは、いうまでもありません。さらに、自分の存在価値を認めてくれるのが家族、またはパートナーです。
他者から必要とされることは、生きる希望を与えてくれます。人類最後のひとりになっても生き残りたいという人は、あまりいないのではないでしょうか。
個人的な話になりますが、数年前に私は、4度目の結婚をしました。離婚するたび、「もう、こりごり!」と口では言いながら、結婚を繰り返してきたのには理由があります。
3人の前夫たちとの結婚生活すべてが、喧嘩と涙の思い出ではありません。夫婦で助けあったり、笑顔で過ごしたりした時期もあったのです。関係がうまくいっていたころの幸せの記憶が、「やっぱり、誰かと一緒に生きたい」と、私に思わせてくれました。
コロナ離婚を考えているご夫婦にも、幸せの記憶はたくさんあるはずです。今、夫に向けられている不満は、自粛生活によるものかもしれません。愚痴をこぼせるのは、聞いてくれる人がいるから。心を許せる家族への甘えともいえますね。
一過性のストレスで、これまでの結婚生活すべてを帳消しにしてしまうのは、もったいないと思いませんか? 誰かがつくったコロナ離婚という言葉に、「うちも、もうダメだ」と、心理的に誘導されてしまうのは危険な気がします。ともに乗り越えた困難の数だけ、夫婦のきずなは強くなるのではないでしょうか。
コロナは人類に試練を与えました。生命の危機により、子孫を残したいという本能に目覚める人が増えるかもしれません。
感染を避けるため、人との接触を減らすことが求められました。それによって家族をもつことへの憧れが高まり、男女ともに結婚願望が強くなる可能性があると筆者は考えています。
次回は、そんな「コロナ結婚」について書きたいと思います。