休職強いられ収入激減 外国人留学生に募る不安 異国の地で生活困窮

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残高がわずかなスリランカ人男性の通帳。コロナ禍で生活困窮に陥った

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、宮城県内で暮らす一部の外国人留学生が生活困窮に陥っている。経営が悪化したアルバイト先から十分な説明を受けないまま休職を強いられ、収入が激減。世界的な不況で母国からの援助も望めない。日本で公的な支援を仰ぐにもさまざまな壁が立ちはだかり、異国の地で不安を募らせている。

 全国で感染が広がり始めた3月中旬以降、仙台市内の大学生らでつくる労働組合仙台学生バイトユニオンに、ベトナムやスリランカから来日し、宮城県内の飲食店や食品工場などで働く20、30代の留学生から約20件の相談が寄せられた。

 同労組によると、勤務先から一方的に自宅待機や勤務時間の削減を命じられ、休業手当を受けていない人が多い。同じ職場で働く日本人従業員は従来通り、出勤する例があるという。

 県内の弁護士らでつくる反貧困みやぎネットワークの森進生事務局次長は「声を上げづらい外国人に矛盾を押し付けている」と指摘する。

 相談者の多くはアルバイトで生活費や月5万~6万円前後の学費を賄い、家族に仕送りをする人もいる。学費の滞納が続き退学になれば、在留資格を失う恐れがある。学校が仲介する借家や寮で暮らす留学生は、住まいをもなくしかねない。

 法律の壁もある。出入国管理法は留学生の労働時間を原則、週28時間以内と定める。休業、営業自粛した勤め先が本格的に業務を再開しても、規定を超えて働くことはできず、短期間で減収を補うことは難しい。

 生活困窮者向けに国などが設ける支援制度も、留学生には制約が多い。生活保護の適用は永住、定住といった在留資格に限られる。コロナ禍で対象となり得る緊急小口資金や特別定額給付金も、言葉の壁や煩雑な手続きが利用を阻む。

 政府は19日、留学生を含む困窮する学生らに最大20万円を給付する支援策を決定。仙台学生バイトユニオンスタッフの鴫原宏一朗さん(21)=大学4年=は「生存の危機に直面している留学生らの命を軽んじないでほしい」と訴える。

◎残高わずか 支援物資が命綱 今春入学のスリランカ人男性

 今春、仙台市内の専門学校に入学したスリランカ人男性(23)は5月中旬、アルバイトをしていた小売店から、退職するよう言い渡された。新型コロナウイルスの感染拡大による影響が一因とみられ、生活費は底を突き、フードバンクの支援物資で命をつなぐ。

 男性は前年度、別のアルバイトで、月に10万円前後を稼いだ時期もあった。突然の失職や体調不良で預金残高はわずかとなり、支援団体から2万円を給付され、何とか当座をしのいでいる。

 支援団体と連絡を取るための携帯電話の代金を払う必要があり、所持金はいつなくなるか分からない。母国の家族が負担する予定だった学費も、コロナ禍による現地の都市封鎖で、支払いのめどが立たない。

 5月中旬、支援団体の助けを借り、緊急小口資金の受給を申請した。「難しい手続きだった」と男性は言う。資金の返済期限は据え置き期間を含め3年。「技術者として日本で働きたい」と将来を見据える男性にとって、期間中の在留資格の更新が受給の審査に影響しないか気掛かりだ。

 男性は「母国では、政府が現金や物資を支給している。日本もそういう支援をしてくれたら、少しは安心できるのに」と語る。

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 各支援団体がメールや電話で相談を受け付けている。連絡先は、反貧困みやぎネットワークhhmiyaginet@gmail.com、仙台学生バイトユニオンsendai@sougou-u.jp。電話相談は同ユニオン022(796)3894(水曜を除く平日午後5~9時、土、日曜、祝日は午後1~5時)。