【リノベーション事例 Vol.01:立松邸】オーナーの「猫愛」が止まらない…猫が縦横無尽に遊ぶ家

*マイナスをゼロに戻すリフォームとは違い、リノベーションは生活を変え、より良い暮らしをしたいという前向きな思いから生まれる。オーナーはどんな思いでリノベーションしたのか? 彼らのエモーショナルな内面を理解しつつリノベーションの事例を見ると、新たな発見があるかもしれない。*

すべては猫のために…愛猫家のリノベーションは発想が違う

面積54.08㎡間取り1LDK+パントリー所在地東京都品川区築年月1974年10月リノベーション時期2019年12月家族構成夫婦+2匹リノベーション会社株式会社クロニクル

立松さん、そもそもどうしてリノベしようと思ったんですか?

いやぁ、最初からリノベを考えていたわけじゃなくて、猫が住みやすい家を追求したら、こうなったんですよ(笑)。

ご夫婦と2匹の愛猫と暮らす立松邸。オークの無垢材フローリングがインテリアの特徴となっている

2匹の猫が縦横無尽に歩き回る部屋で、この部屋のご主人、立松さんはうれしそうに語ります。立松さんのお宅は、都心エリアに建つマンションの4階。築45年のヴィンテージマンションの一室をリノベーションして、2019年10月から住み始めました。そのリノベのきっかけは猫だったとか……。

猫と住める家を探しているなかで、「猫と住める」「リノベーションもできる 」 この物件に出会ったんです。

以前のお住まい、実は「ペットNG」だったと語るご主人。結婚を機に、猫も堂々と住める家に引っ越そうということで、物件探しをはじめたのが、リノベーションのきっかけ。リノベありきではなくて、「猫と住める家」を探していくなかで、「リノベで、猫と住める家を造るのもいいな」というユニークな発想で出来上がった家なのです。

だから、リノベに期待することもほかのオーナーとはちょっと違います。

猫って家に住みつく、っていうじゃないですか。猫のためにリノベしたようなものなので、期待どおりに猫が気に入ってくれるかどうか不安でしたね。

でもその心配は杞憂でした。猫たちは、最初こそ新居に動揺したようですが、いまではすっかり慣れてキャットウォークで遊びまわり、ドームに入ってくつろぎます。

リビングの壁と梁部分にキャットウォークを設置。中の様子が透けて見えるキャットドームがインテリアのいいアクセントになっている

立松邸は、キャットウォークを壁一面に配し、さらに直角に梁を渡し、猫が部屋を縦横無尽に動き回れるように仕上げています。キャットウォークの先には透明なキャットドームがあり、ここで休むこともできます。さらには、洗面所とキッチンの間に、猫用の出入口を設け、洗面所とベッドルームからアクセスできるトイレのドアを開ければ、家中をぐるぐると回遊可能。壁紙も猫がひっかくことを想定して硬めの素材をセレクトしています。

猫が家中を回遊できるようキッチン脇に猫用出入口を設け、トイレにもドアを2枚設置

そう、すべては猫のため。きっかけもそうなら、実際の仕様も猫ありき。ご主人はさぞかし昔から猫好きだったのかと思いきや、実は以前は「犬派」だったとか。ご夫婦の共通の知人を介して、猫に触れる機会があって、奥さんが最初に「猫がほしくなった」そうです。いまや完全にご主人のほうが猫好きのように見えますが……。

リノベーションの本当の狙いは? 奥さんに聞いてみた

キッチン脇にパントリーを設置。アーチ型の入り口と壁紙が印象的

それにしても「猫の家」を建てたわけではありません。「猫も住みやすい家」を造ったはず。今度は奥さんに聞いてみましょう。

奥さん、リノベーションで重視したことはなんですか?

前の家は、キッチンが使いにくかったんです。ですので、動きやすいオープンキッチンにしてほしい、とお願いしました。もともとリノベの知識があったわけではないので、インスタなんかを見ながら徐々に知識を増やしてきました。

おー、やはり女性のほうが現実的(笑)。猫のことだけでなく、夫婦ふたりの生活もしっかりと考えているようです。キッチン脇に見えるアーチ型パントリーも奥様の要望。前の家で整理できていなかった食器を収納できるスペースをお願いしたそうです。

インスタでパントリーを見て、「いいな」と思ったんですよね。もともと食器が好きで、特に益子焼が好きで年2回の陶器市に出向いて、色々食器を買い集めていたんです。買うのはいいけど、ちゃんと整理できてないから、あふれちゃって(笑)。今のパントリーに食器を納めてからは、食器を選ぶのが楽しくなってきました。

パントリーには、奥さんの食器コレクションが美しく並べれらていますが、下に目をやると、ご主人の趣味である「ウィスキーコレクション」もしっかりと収まっているではありませんか! やっぱり奥さんは、しっかりとご主人のことも考えてリノベーションされていたんですね。

リノベーションした新居に移って、「猫も人間も好きな場所で過ごせるようになった」という

ご主人、奥様ともにリノベーションした新居に住まわれて、気持ちはどう変化したのでしょう。

気持ちに余裕ができましたね。前の家と比べて間取りに余裕ができたので、猫も人間も好きな場所で過ごせるようになりました。

やっぱり「ねこのきもち」は外せません(笑)。猫も満足して、人間も気持ちに余裕が生まれたリノベーション……ペットを愛する人が目指すリノベーションとして、理想的なスタイルですね。

撮影:仲井裕介

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