【リノベのローン】リノベーション代も住宅ローンにコミコミでOK?

表参道で見かけたリノベーションのお店『クロニクル』で、インテリアコーディネーターのおねえさんから親切な説明を受け、「次の新居は中古マンションをリノベしようかな…」と心が傾きつつある理延城人(りのべ・しろと)──しかし、マンション購入とリノベーションにかかる費用を全額即金で支払えるだけの蓄えがあるはずもなく、当然ローンを使うわけだが、リノベでローンを組む場合、何か注意するポイントはあるのだろうか?

《目次》- リフォームローンと住宅ローンのまとめ方

リフォームローンと住宅ローンのまとめ方

リノベーション費用のみでローンを組むより、低金利の住宅ローンに組み込んだほうがだんぜんお得。造作家具をローンに組み込むこともできる

ところでボク、ローンでなければ、とてもじゃないけどマンション購入費とリノベ費用を支払うことができないんですけど……。

江藤:ご安心ください。全額を即金でお支払いできるお客さまはむしろ稀ですから(笑)。

理延:(ホッと胸をなで下ろし)ですよね〜!

ただし、物件購入と同時にすれば、リノベーションは造作家具(その部屋やサイズに合わせた造り付けの家具)までを含めて「住宅ローン」に組み入れることができて、かなりお得なのは頭に入れておいてください。

理延:お得!? どのへんが?

江藤:物件購入を別にしてしまって、リノベーションのみをローンにすると「リフォームローン」という単体のローンになって、金利も高くなってしまうんです。支払いの面を考えると、住宅ローン一本化にするのがいちばんメリットが大きいですね。

理延:し、知らなかった……。

ちなみに、住宅ローンとリフォームローンでは、どれくらい金利が違うの?

現在は住宅ローンの金利が約0.5%。対して、リフォームローン単体だと金利は2〜3%になります。

理延:ケタが違うじゃないですか!

江藤:はい。なので、まだ住宅ローンが残っている人は、リフォームローンと一本化して「借り換え」をなさるケースもあります。

理延:なんですか? その「借り換え」って!?

江藤:簡単に説明してしまえば、銀行で組んでいる住宅ローンの残額に、新たなリフォームローンを追加して一本にまとめるシステムです。あと、物件購入とリノベーションを別々の会社を通して、同時のタイミングでやるケースもありますが、その場合はいろいろと手続きが必要になります。

《補足解説》

ただし、「同時」とはいえ、その微妙な「タイミング」はかなり重要。「購入」が「契約」の状態なのか「引き渡し」の状態なのかで、手間は大きく違ってきます。すでに融資を受けていて引き渡しを終えている状態だと既存のローンに組み込むのは難しくなります。まだ「契約」の段階、所有権の移転がされていない、住宅ローン自体もまだ始まっていない段階なら、一本化は可能です。

中古物件購入時における住宅ローンの注意点

【ローンの注意点1】検討期間は余裕を持って

中古物件は急な引き渡しが行われる場合も。余裕を持って検討したい

他に、ローンを組む際の注意すべきことを教えてください!

まず、住宅ローンの検討期間に余裕を持たせることです。

理延:たしかに、時間的な余裕はあればあるほどいいとは思いますけど……。

江藤:新築物件だったら、住宅を建築している間、数ヶ月かけて検討することができますよね。でも、中古物件だと、売り主さまの状況によっては「1ヶ月後」みたいに早急な引き渡しが行われるケースもあるからです。

理延:なるほど。

江藤:なので、ファイナンシャルプランナーや金融機関に相談するなど、事前にいろいろ情報収集を行っておいたほうがいいでしょう。

【ローンの注意点2】「諸費用」は中古物件価格の約1割

手数料や登記など、中古物件価格の1割程度の諸費用が必要になる

江藤:次に、とくに中古物件を購入する場合は、物件価格以外にもさまざまな費用が発生することも忘れてはいけません。

理延:えっ、たとえば?

仲介業者に払う手数料や、不動産の登記に必要な諸費用。登記を司法書士に依頼するなら、その報酬も。それに、固定資産税の清算金などが必要になってきます。

《補足解説》

さらに中古物件の場合、売り主がすでに払ってしまっていた固定資産税は、物件引き渡し後に買い主が清算しなければなりません。これらの諸費用は、一般的に「物件価格の8〜10%かかる」と言われています。したがって、物件価格にプラス1割程度を上乗せしてから、住宅ローンの借入金額を考慮するようにしましょう。

【ローンの注意点3】中古物件は借入期間が短くなることも…

中古物件は住宅の耐久性が加味され、借入期間が短めに設定される

あと、新築の住宅ローンは一般的に35年ローンまで組めますが、中古物件だと、新築に比べて住宅ローンの借入期間が短くなり、毎月の返済額が高額になる可能性もあるんです。

理延:ありゃ〜!

江藤:理由は、審査の際に住宅の耐久性が加味されるから。そのため、借入期間が最長でも15年や20年になってしまう可能性もあります。

《補足解説》

とはいえ、住宅ローンは借り主の年齢や年収、その他の借入金額……ほか、個人の返済能力も加味されるため、頭金にまわせる資金、月々の返済金額、返済期間をイメージしながら、金融機関の窓口に相談してみることをオススメします。

【ローンの注意点4】中古物件は借入金の上限が低くなることも…

担保価値に左右されるため、 中古物件は借入金の上限が低くなるケースもある

江藤:さらにもう一つ。

理延:まだあるんですか〜(泣)?

中古物件は、新築よりも借入金の上限が低くなるケースもなくはありません。理由は、物件の担保価値にその額が左右されるからです。

理延:そっかぁ。けれど「前もって聞いといて良かった」と、ポジティブに考えます(笑)!

《補足解説》

「担保価値」とは、万が一、借り主による住宅ローンの支払いが困難になった場合、その物件を売却して得られる対価のこと。すぐに売却して処分したときの価値となるため、中古物件は市場価格がやや低くなる傾向にあるようです。そして、借入金の上限は、一般的に「担保価格の140%まで」とされています。

【ローンの注意点5】住宅ローン控除を受ける場合は築年数をチェック!

マンションの築年数によっては住宅ローン控除を受けれない場合もある

できれば「住宅ローン控除」ってヤツも受けたいのですが……?

「住宅ローン減税制度」のことですね。同制度は購入物件の築年数によっては適用できないこともあるので、その点はご留意ください。

理延:ん〜〜〜〜っ! やっぱり「前もって聞いといて良かった」と、ポジティブに考えます!!

《補足解説》

「住宅ローン控除」を受ける場合、マンションなどの耐火建築物の建物であれば「築25年」以内、木造などの住宅であれば「築20年」以内である必要があります。

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