豪州SC:eスポーツ第7戦オーバル勝負は、NASCARの2大聖地を制したSVGがパーフェクト達成

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 毎週水曜の恒例となったVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーのeスポーツ・シリーズ『Supercars All Stars Eseries』第7戦が5月20日(水)に開催され、1.5マイルオーバルのシャーロット・モーター・スピードウェイと、デイトナ・ロードコースという北米NASCARの2大聖地での決戦を制したシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(ホールデン・コモドアZB/Triple Eight Race Engineering)が3連勝の“クリーンスイープ”を決め、バーチャル初の完全制覇を達成した。

 先週開催されたアメリカ・テキサスのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)に続き、2週連続の北米連戦となったSupercars All Stars Eseries第7戦は、シリーズ初のオーバル戦が登場。レース1はNASCARが本拠地を構えるシャーロットの1.5マイル・オーバルが舞台となった。

 その予選で栄えあるポールポジションを獲得したのは、eシリーズ通算9度目の最前列となる“予選最速男”ことアントン・デ・パスカーレ(ホールデン・コモドアZB/Erebus Motorsport)で、フロントロウ2番手には引き続きワイルドカード参戦のマクラーレンF1所属ランド・ノリス(ホールデン・コモドアZB/Walkinshaw Andretti United)が0.3秒差で並び、さらにその後方にはフォード勢最上位のジャック・ルブローク(フォード・マスタング/Tickford Racing)、レッドブル・レーシング・オーストラリアのエースである2016年VASC王者の“SVG”ことヴァン・ギスバーゲンが続く隊列となった。

 18分35周のフォーマットが採用された決勝では、ローリングスタートでペースカーが離れたタイミングに合わせ、ポールシッターのパスカーレがクリーンに加速したのと対照的に、2番手ノリスの反応がわずかに遅れ、WAUのホールデンが次々と後続車両に飲み込まれていく。

 さらに後方では早速のアクシデントも発生し、現実のVASC連覇中でeシリーズでも競争力の高さを披露してきた王者スコット・マクラフラン(フォード・マスタング/DJR Team Penske)が、ジャック・スミス(ホールデン・コモドアZB/Brad Jones Racing)との接触で最後尾付近へと転落し、Team Penskeのお膝元で苦しいレースを強いられる。

 一方、先頭集団はNASCARばりのミックスパックで周回を重ね、風切り役のパスカーレを先陣にノリス、SVG、そして7冠王者ジェイミー・ウインカップ(ホールデン・コモドアZB/Triple Eight Race Engineering)らが目まぐるしくポジションチェンジを続け、さらにチャズ・モスタート(ホールデン・コモドアZB/Walkinshaw Andretti United)やトッド・ヘイゼルウッド(ホールデン・コモドアZB/Brad Jones Racing)に加え、予選3番手ルブローク、キャメロン・ウォーターズ(フォード・マスタング/Tickford Racing)、リー・ホールズワース(フォード・マスタング/Tickford Racing)らマスタング勢も勝負の輪に加わってくる。

オーバルで最速を記録したアントン・デ・パスカーレはデイトナで雪辱し2位、5位。僚友デビッド・レイノルズも同5位、6位に続いた
愛機を模したコクピットで気合を入れたリック・ケリーだが、残念ながら3ヒートともトップ10には絡めず

 中盤15周目には首位に立っていたノリスをかわして、チームメイトのモスタートがトップランに躍り出ると、ウォールにヒットしたノリスは優勝戦線から無念の脱落。ときを同じくしてマスタング勢がピットへ向かうと、首位のモスタートとSVGが続く周回で同時にピットレーンへとなだれ込む。

 するとコース上のアクシデントで“イエローコーション”が出され、上位勢はピットタイミングでシャッフルされ、7冠王者ウインカップが隊列を率いてのリスタートに。背後ではルブローク、ウォーターズのマスタングがよりフレッシュなタイヤを履くSVGをブロックする構図へと変化する。

 終盤を迎えたレースは、集団内でしびれを切らした2番手ルブロークが“ドラフティング”から抜け出しアウトラインからウインカップに並び掛けるも、ターン3でわずかにコンタクトした2台はともに姿勢を乱し、首位攻防戦から脱落。ファイナルラップに向けウォーターズ、SVG、ブライス・フルウッド(ホールデン・コモドアZB/Mobil 1 Middy’s Racing)、そして地元Team Penskeの期待を一身に背負うファビアン・クルサード(フォード・マスタング/DJR Team Penske)ら4台の勝負となる。

 インサイドラインにウォーターズ、クルサードのマスタング、アウトラインにSVG、フルウッドのホールデンが並んだパックは、ターン3、ターン4とそのままのフォーメーションでクリアしてフィニッシュラインへ。

 ほとんど横並びながら0.06秒の鼻差でSVGがトップチェッカーを受け、ウォーターズ、クルサード、フルウッドの順でラインを通過。ゴール直後にはウォーターズとSVGのマシンが大クラッシュを喫する、緊迫のファイナルラップ決着となった。

 続いてデイトナ24時間でもおなじみのインターナショナル・スピードウェイのロードコースで開催された10周1ピット義務のレース2は、予選ポールポジションを獲得していたSVGが後方の接近バトルを尻目にこの日2勝目をマーク。

 このレース結果を受け、ふたたびポールシッターとなったSVGは16周ピット義務のレース3も制し、第7戦完全制覇となるパーフェクトを達成すると同時に、このデイトナでもアクシデントに巻き込まれ沈んだマクラフランに代わって64ポイント差でeシリーズランキング首位に浮上した。

 続くSupercars All Stars Eseries第8戦はガラリと趣を変え、古典的F1トラックであるイタリアのイモラとブラジル・インテルラゴスを舞台に、5月27日(水)に争われる。

「ホールデン陣営内でドラフティングを使い合ったことが助けになった」と、喜びを語ったSVG
デイトナでもオープニングのシケインでアクシデントに沈んだスコット・マクラフランを尻目に、SVGが連勝劇で締め括った