積水化学、住宅事業は3年で売上6.8%増の5480億

積水化学の加藤社長

積水化学工業(大阪市)は5月22日、2030年度までの長期ビジョンと2022年度までの中期経営計画を発表した。2030年度に売上高が2019年度比77.1%増の2兆円、営業利益が127.7%増の2000億円以上を目指す。2022年度は売上高が8.0%増の1兆2200億円、営業利益が25.2%増の1100億円を目指す。住宅カンパニーは2022年度に売上高が6.8%増の5480億円、営業利益が16.4%増の440億円を目標とした。

中計で住宅カンパニーは特にまちづくり事業に注力。災害対策や省エネを訴求する。埼玉県朝霞市で戸建てとマンションの複合開発を行っているが、2022年度までの5プロジェクトを仕込み済み。まちづくり事業は2019年度に2億円の売上高だが2022年度に120億円、営業利益で9億円以上を見込む。一次取得層向けの分譲に注力。戸建て分譲用の土地は販売中の在庫にさらに1500区画の仕入れを目指す。

戸建て・集合住宅の販売は2019年度に注文が9200棟、建売が1000棟、集合は710棟の計1万910棟だった。2022年度は注文が320棟増の9520棟、建売が800棟増の1800棟、集合は30棟減の680棟の計1万2000棟を目指す。売上高は2.6%増の3700億円、営業利益が13.1%増の318億円が2022年度の目標。4月から北海道を除く生産子会社を一体化し、7カ所の工場の一体運営を開始しており、生産会社の収益性を2022年度に2019年度より30億円高める他、建売は間取りプランの共通化や生産設備の自動化、施工平準化などで棟当たり100万円程度の20億円の収益性プラスを見込んでいる。

ストック事業はリフォームと不動産の融合を図る。リフォームは蓄電池などの拡販に注力。体感型ショールームの「セキスイハイムミュージアム」を7カ所から2022年度に25カ所への拡大と、全国のギャラリー設置を目指す。賃貸住宅リフォーム売上は2019年度から10億円増の44億円が目標。東名阪の賃貸管理戸数は5000戸増の3万7000戸とし、新築アパートのカバー率は17ポイント増の80%を目指す。リフォームと不動産の融合で買取再販事業も強化。2022年度のリフォーム売上は2019年度から3.0%増の1000億円、営業利益が11.8%増の85億円、不動産はそれぞれ27.4%増の580億円、29.6%増の35億円が目標。海外はタイの分譲事業を強化する。

3月に就任した加藤敬太社長は新型コロナウイルスの影響について「6月末までは見込んでいる。今年度は2021年度以降への地盤固めの年になる」と説明。住宅事業はまちづくり以外にAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)なども取り組み、2030年度に売上高7500億~8500億円を目指すとした。

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