生後1カ月の長男に暴行 母親に罰金50万円、地裁川崎支部

裁判所(横浜地裁の看板)

 生後1カ月の長男をたたくなどしたとして、暴行の罪に問われた母親(31)の判決公判が22日、横浜地裁川崎支部であり、江見健一裁判長は罰金50万円(求刑懲役10月)を言い渡した。弁護側は即日控訴した。

 判決で、長男が苦痛を感じているにもかかわらず、動画を撮影するばかりで体勢を変えるなどの措置を取らなかったり、相当な強さで手でたたきつけたりした点を暴行と認定。江見裁判長は「被告人は長男に苦痛を与えるものと認識していた」などと指摘した。

 一方、小児科医2人への尋問から、暴行がすぐに長男の体に影響を与える危険性があったとはいえず、日常的に暴行していたとも認められないことから、罰金刑が妥当とした。

 判決によると、被告は2018年10月15日、当時住んでいた川崎市宮前区の自宅で、長男をうつぶせにして約39秒放置。同23日には、手で胸を複数回たたくなどした。長男は暴行事件から約2カ月半後の19年1月7日、意識不明の状態で同市内の病院に搬送され、後に死亡した。

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