【#今こそひとつに】小林雅英氏が伝えたい「ありがとう」 感染リスクと戦う清掃業者に感謝

ロッテの守護神として活躍した小林雅英氏【写真:荒川祐史】

家で過ごす時間が増え「いつもより多くのゴミを出してしまっています」

新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう今、各地では「STAY HOME」の動きが広がっている。一方で、この厳しい状況の中でも医療従事者をはじめ、社会のインフラを支える人々は、見えない敵が迫る最前線に立ち、私たちの日々の暮らしを支えてくれている。こんな状況だからこそ、身近にいる「命を支える人」「生活を支える人」「社会を支える人」に対し、感謝の気持ちを抱いた瞬間があるのではないだろうか。

「Full-Count」では、野球を好きな人が、感謝の気持ちを発信する特別連載【#今こそひとつに】をスタート。リアルな感謝の声をメッセージ動画とともにお届けしている。

今回は、現役時代はロッテの守護神として2005年にセーブ王となり、米インディアンスなどでも活躍した小林雅英氏だ。

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“コバマサ”の愛称で親しまれた元守護神は、1998年ドラフト1位で東京ガスからロッテに入団。2000年途中からクローザーを任されると、2001年から7年連続で20セーブ以上をマーク。2005年には最多セーブ投手のタイトルを奪取するなど、ファンからは“幕張の防波堤”と呼ばれた。

時速150キロの速球で押す投球スタイルに加え、ロッテで過ごした9年間は全て40登板以上を記録するタフさも魅力。2004年には日本代表の守護神としてアテネ五輪で銅メダルを獲得するなど、存在感を見せつけた。米インディアンスでは2008年から2年プレーし、6セーブをマーク。巨人、オリックスを経て、2011年を最後に現役を退いたが、NPB通算228セーブは歴代6位という大記録となった。

そんな小林氏が今、感謝の言葉を伝えたい人がいる。それが「清掃業者の皆様」だ。

緊急事態宣言が発令された4月7日以降、一部地域で解除された今も、以前より圧倒的に家で過ごす時間が増えている。そんな中、必然的に増えるのが家庭ゴミ。ニュースでも、たびたび家庭ゴミの増加が伝えられているが、小林氏もまたそれを実感する一人だ。

「僕も部屋の片付けをしたり掃除をしたりして、いつもより多くのゴミを出してしまっていますし、また自宅での食事やお酒を飲む機会が、今までよりも本当に多くなっています」

感染のリスクがある中でも職務を全う「どうぞお体に気をつけながら…」

「お酒は大好き」という小林氏は、ゴミ収集の日になると「飲んだ後の空き缶ですとか瓶ですとか、本当に多くのゴミを僕自身も出してしまっている」と感じているという。だからこそ、「そのゴミを毎週集めてくださっている方々には本当に感謝の言葉を伝えたいと思います」と熱い口調で語った。

街を清潔に守るためには、ゴミの収集は欠かせない。人々が安心して日常生活を送るためには、清掃業に携わる人々の活躍は必須だ。そこにはウイルスという目に見えない敵と接するリスクがあるが、社会の営みが滞りなく進むよう、身を挺する勇気も必要だ。

「ゴミの中にはマスク、手袋など、ウイルスに感染するリスクがあるものも含まれていると思います。そういうリスクの中、ゴミを集めてくださっている方々には、本当に感謝の気持ちがありますし、またそのご家族の方々にも感染のリスクというのはないわけではないと思いますので、本当に家族で戦ってくれているんだなと思っています」

小林氏はゴミ収集の現場で働く人々はもちろん、感染のリスクに対してともに戦っている、その家族にも感謝の念でいっぱいだ。

報道では、ゴミの分別を怠ったり、決められたゴミの収集方法を守らない人もいると伝えられている。わずかなことから火災や事故が発生する可能性もあり、小林氏は「本当に怪我や最悪、命にかかわるリスクもあると思います」と思いやった。

「そういった中で毎週キレイにゴミを集めてくださる方々には本当に頭が上がりません。ありがとうございます。どうぞお体に気をつけながら、作業をしていってください。よろしくお願いします」

海外から訪れる観光客は一様に、日本のゴミの少なさや清潔さに感銘を受ける。日本にいると当たり前の日常のように感じてしまうが、そこにはゴミ収集に携わる人々の働きがある。日々、街の衛生環境を保ってくれる清掃業者の皆さんに小林氏から「ありがとうございます」をお届けします。

○Full-Countでは、特別連載【#今こそひとつに】をスタートさせました。新型コロナウイルスの感染拡大で社会状況が厳しい中、誰もが「命を支える人」「生活を支える人」「社会を支える人」に感謝の気持ちを抱いた瞬間があると思います。医療従事者や社会インフラの維持に尽力する人たちにその思いを届けたい――。人と人との“距離”が遠い今だからこそ、みんなの心をひとつにしたい――。頑張る人たちにエールと感謝の気持ちを届けるため、様々な「声」を発信しています。また、18日に開設した新サイト「HEARTS AS ONE 今こそひとつになろう」では、野球界以外からも寄せられている著名人らのメッセージも多数公開しています。(佐藤直子 / Naoko Sato)

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