京葉ガスとセンスウェイ、建物内温度や外気温を可視化して空調を制御する空調IoTソリューションを共同開発

ガス空調設備の導入や維持管理・運用支援といったエネルギーサービス事業を展開する京葉ガス株式会社と、LPWA対応センサーを活用したIoTソリューション事業のセンスウェイ株式会社は、各種環境センサーデータを活用した建物内温度や外気温を可視化して空調制御を適切にする空調IoTソリューションを共同開発した。同ソリューションは、電池駆動で設置が容易なセンサーを用いて、建物内の温度・湿度・CO2濃度を定点測定した結果をタイムリーに可視化し、空間内の人数に応じて経時変化するCO2濃度を「人の数や動き」を反映するデータとして活用することを実現するためのソリューションである。低消費電力で長距離通信が可能なLPWAの特長を活かした環境センサーの活用には以下のようなメリットがある。

  • 設置場所に制約がないため、室内環境や人の密度を把握したい場所を自由に選定し測定が可能となる。
  • 導入に際して工事が不要であるため、既存建物での採用も容易である。
  • 画像などと比べてデータ容量が小さいため、低消費電力で環境情報の取得が可能となる。

屋外用温湿度センサー

アプリケーション画面イメージ

アプリケーション画面イメージ今回、開発趣旨に賛同した株式会社T-SITEと共同で、T-SITEが運営する複合商業施設「柏の葉T-SITE」に同ソリューションの試験導入を実施している。柏の葉T-SITEは、利用者へ開放的な空間を提供するため、吹き抜けや広い窓を設置するなど特徴的な構造が取り入れられており、延べ床面積は6456㎡に及ぶ。同施設に対して、IoT技術の活用により利用者の居心地の良さと省エネの両立を実現する試みを進めている。今後、京葉ガスとセンスウェイは同ソリューションの実証の場として柏の葉T-SITEで蓄積した測定データを基にさらなる活用方法を検討し、屋内の環境変化に連動した空調制御などより簡単に快適空間を実現するサービスの研究開発を進めるとした。なお、同開発は柏の葉アーバンデザインセンター<UDCK>(事務局)、柏市、三井不動産株式会社らを中心として運営される、千葉県柏市・柏の葉キャンパスの街を舞台にした実証プラットフォーム「イノベーションフィールド柏の葉」の支援プロジェクトとして実施されており、屋外の環境データに関してはイノベーションフィールド柏の葉で既に取り組んでいた街の環境モニタリングの取り組みからオープンデータとして提供された。

© 株式会社アールジーン