10万円給付の申請書、間違ったらどうなる? 熊本市の担当者に聞いた

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特別定額給付金の申請書の一部。左が国が示した様式例で、右が熊本市がチェック欄を独自に変更して作成した申請書

 新型コロナウイルスの緊急経済対策として国民に一律10万円を配る「特別定額給付金」の申請書の記載を間違え、誤って受け取りを辞退するケースが首都圏などで出ている。熊日の「SNSこちら編集局」にも熊本市の50代女性会社員から「記入間違いをしたら、どうなるのか」と懸念の声が寄せられた。記入を間違った場合でも修正できるのか-。熊本市の担当課に聞いてみた。

 「これでは間違える人も多いでしょうね」。市特別定額給付金課の池田哲也課長は、国が示した申請書の様式例を手元に置き、指摘した。

 申請書は実は自治体によって違う。国の様式例を基に各自治体が作成するが、国が示したものをそのまま使う自治体もあれば独自の申請書を作る所もある。熊本市は国の様式例の一部を変更し、独自の申請書を用意した。

 国が示した様式例には、印字された給付対象者の氏名の右側に「給付金の受給を希望されない方はチェック欄に×印を御記入ください」という注意書きとチェック項目がある。これを「受け取る」という意思表示を聞かれたと勘違いし、チェックしてしまう人がいるというわけだ。

 熊本市はこの部分を工夫。受給希望の意思表示が明確になるよう「希望する」「不要」の二つの項目を設け、いずれかに申請者がチェックを入れるようにした。勘違いによる誤記を未然に防ぎ、どちらにも印がなければ受給希望とみなす。

 さらに、「不要」にチェックした人には、電話で重ねて意思を確認。誤って記入したことが分かれば、受け取り希望に修正も可能という。

 定額給付金を巡っては、熊本市は、生活保護受給世帯向けにも独自の手を打った。高齢や障害といった事情で記入が難しい人も多いため、申請書への記入がなくても、ケースワーカーを通じて電話で給付希望の確認ができれば、本人申請とみなして支給する。

 生活保護受給者には担当のケースワーカーが付き、世帯状況や振り込み口座も把握していることから、対応できるという。

 3月末時点で、熊本市の生活保護受給者は1万5085人。一般世帯と同じ25日から振り込みを始める。

 一方、世帯主が死亡した場合については、国の給付ルールに沿う。給付金は4月27日時点での住民基本台帳を基に支給されるため、28日以降死亡した場合も対象となる。

 同一世帯に、ほかの世帯員がいる場合、死亡した世帯主の分も申請し給付を受けることができる。ただ、単身世帯では受給権者がいなくなるため、給付ができなくなる。世帯を分けている家族や、世帯員となっていない同居人が、代理申請することはできない。

 池田課長は「一律給付といっても、さまざまなケースが想定される。多くの世帯にできるだけ早く、給付できるよう努める」と話している。(志賀茉里耶)

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