「病院倒産や医療崩壊が起きかねない」 沖縄協同病院、新型コロナで1億2228万円減収 4月前年比

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(資料写真)那覇市古波蔵の沖縄協同病院(Google ストリートビューより)

 新型コロナウイルス感染患者を受け入れる協力医療機関の沖縄協同病院(那覇市、病床280床)の4月の事業収益が、前年同期比で1億2228万円(17.6%)減少したことが分かった。2009年の移転・新築以降、前年同期比の減収幅が1億円を超えたことはない。県内の医療機関が、新型コロナの影響で経営悪化した業績を明示したのは初めて。

 感染発生に備えた空床確保や感染警戒による受診控え、感染対策の備品購入が主な理由。病院側は「現状が長引けば資金ショートの恐れがあり、病院倒産や医療崩壊が起きかねない」とし、国や県に財政支援を求めた。

 同院を運営する沖縄医療生活協同組合の比嘉努専務理事と同組合労組の真榮城玄次執行委員長らが22日、県庁記者クラブで会見し、発表した。県内で感染者が発生した2~4月の3カ月間の事業収益は、前年同期比で2億5232万円(12.5%)減り、17億7084万円だった。

治療に貢献 でも赤字 新型コロナで患者来院控え

 「経営の立て直しが到底できない」「もはや働き続けられない」。新型コロナウイルス感染症の治療に貢献してきた医療機関の危機的な経営状況が22日、明らかになった。経営陣と労組が同席する異例の形で窮状を訴えた沖縄医療生活協同組合の記者会見。経営悪化は医療崩壊に直結しかねない。

 新型コロナ協力医療機関の沖縄協同病院は、2月から県内で感染が広がるにつれて経営が悪化した。新型コロナ患者受け入れに伴う感染リスクを警戒し、ほかの病気の患者が来院を控えて診療や入院の報酬が減ったからだ。感染症対応の病床を確保するため、ベッドの一部を空ける必要があったことも影響した。

 国に補償を求めたが、申請の可否は不透明という。比嘉努専務理事は「国の制度としてしっかり守ってほしい。ほかの医療機関も同じ苦しみがあると思う」と話す。

 同院は患者受け入れの割合が最も多い「外来」で36.6%減、「救急外来」は48.2%減だった。280床のベッドは昨年の同じ時期に、経営計画上の目標(273床)を上回る満床状態が続いていたが、今年2月下旬以降は下回る状況が続く。組合全体の2019年度決算は、1月まで黒字で推移していたが、2~3月に新型コロナのあおりで落ち込み、最終的に1935万円の赤字となった。

 経営への打撃が、新型コロナ対応を担う現場の医療従事者のボーナスカットにつながる可能性が高いという。県医療福祉労働組合連合会の穴井輝明執行委員長は「感染拡大への危機感と恐怖で働く中、現場の医療従事者は疲弊している。今まで踏ん張ってきた医療従事者も頑張り続けられなくなる可能性がある」と懸念。「医療現場を守ることは県民の命と健康を守ることにつながる」と語った。

沖縄協同病院の事業収益
沖縄協同病院ベッド稼働状況