ご近所観光の勧め

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 〈…自分の家から10分、15分、30分、1時間の範囲を観光する。観光事業者もまずそこを狙ってみてはどうか〉-新型ウイルス禍で観光業界の苦境が続く中、「マイクロツーリズム」なる“新語”が注目されている▲提唱者は星野リゾート代表の星野佳路氏。高度成長期に日本の観光地を支えてきたのは実は近隣の保養客-なのだという。〈長距離を移動するわけではないからウイルス拡散につながらない。観光人材の雇用も維持できる〉と星野氏は今日的意義を説く。「ご近所観光」の和訳も見つけた▲「地元の方々に地域の魅力を再発見してもらうことが、観光を強くする」とも。「光」を「観にいく」と書いて観光。地元の人々がその土地の楽しさをよく知ることは、きっと輝きを増す助けに▲「県内の観光を県民の皆さんで応援してほしい」と、県が県民の県内宿泊を促進するキャンペーンの実施を打ち出した。ご近所観光の勧め-である▲県内ではもう1カ月以上もの間、新たな感染者が出ていない。もちろん“ゼロに何を掛けたってゼロだ”などと無責任で乱暴なことは言えない。用心は忘れず、でも、少しずつ前へ▲もうしばらくの間、長崎の元気を支えるのは、長崎県民自身の手だ。さあ、どこに行こう…あ、キャンペーンが始まるのは6月だった。(智)