オンライン会議 アバターは… 知らないおじさん? 聖地会議社長が壁紙配布

柿崎社長が写った壁紙

 神奈川県の横須賀を中心に、アニメの舞台を巡る「聖地巡礼」をプロデュースする「聖地会議」の柿崎俊道社長(44)が、オンラインでの仕事のやりとりで顔を出したくない人のために、代わりに画面に表示できる自身が写った「壁紙」を作成した。

 新型コロナウイルスの影響でテレワークが増え、仕事とプライベートの境界が曖昧になる中、「面と向かうのが当然」という風潮に対して、一つの答えを提示している。

 オンラインでの仕事のやりとりの際には専用アプリを使い、パソコンなどのカメラを通して相手に自らの姿が見えるようにするのが一般的だ。見えない状態にもできるが、柿崎社長は「取引先から顔を出してほしいと言われて困惑した」と自宅にいる自らの様子を見せることを不安に思う声を、仕事で関わりのある女性数人から聞いたという。

 「Zoom(ズーム)」などのアプリでは、任意の画像を表示することも可能で、顔を出さずにアニメのキャラクターやペットの画像などを使うことも考えられるが、趣味が相手に知られることを嫌う人もいる。柿崎社長は一つの選択肢として、「知らないおじさんの写真を出すことで、『(プライベート領域に)これ以上突っ込まないで』という“魔よけ”になる」と考え、ソファに無表情で座る自らの姿を撮影し、誰でも無料でダウンロードして使えるようにした。最終的には、「仕事に支障がなければ、顔を出すかどうかは自由」という考え方が浸透することを期待しているという。

 ダウンロードは聖地会議のホームページ(https://www.seichi-kaigi.com/zoom)から。

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