小泉今日子、渡辺えりら#WeNeedCultureイベントで訴え 文化芸術は「心の穴埋める」

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「#WeNeedCulture at DOMMUNE」~文化芸術復興基金をつくろうに登壇した小泉今日子 - 撮影:鳥居洋介

女優、プロデューサーの小泉今日子、女優、演出家、劇作家の渡辺えりが22日、文化芸術復興基金の早期創設を目指すプロジェクト「#WeNeedCulture」のオンラインイベント(DOMMUNEにて配信)に生出演し、新型コロナウイルスの感染拡大で苦境に立たされている演劇、映画館(ミニシアター)、ライブハウス・クラブへの支援を訴えた。

【動画】7時間に及んだ「#WeNeedCulture」シンポジウム

現在、自身で立ち上げた「株式会社明後日」の代表取締役を務めながら演劇のプロデューサーとしても活動する小泉。冒頭の挨拶で、「10代の頃に歌手としてデビューし、その後、女優として映画などに出させていただき、今は製作者としても演劇に関わっているので、今回の3つの文化芸術(演劇・映画・音楽)が手をつないだ活動には、ある種の力強さを感じています」と募る思いを告白。

さらに、「どの舞台も、9、10、11月までキャンセルしている状況で、お客様を入れて上演する目途が全く立っていません。演劇を作るためには、劇場費からキャスト、スタッフさんのギャランティー、美術のセットなど、ものすごくお金がかかります。チケット代も映画などに比べたらちょっと高いのですが、それでもほとんど黒字にならない。本当に厳しいです」と製作者の立場から現状を嘆いた。

渡辺えり

また、映画・演劇・音楽など文化芸術の苦境に対して、「そんなものは後回し」「大袈裟だ」といったSNSでの厳しい意見を真摯(しんし)に受け止めながらも、「皆さんがんばって、この(自粛の)時間をどうにかして工夫して乗り切ったとして……そこから先、ぽっかり心に穴が開いてしまう人が出てきそうな気がします。その心の穴を埋めてくれるのがまさに文化芸術、これからが出番だと思うんです」と力説した。

一方、渡辺も小泉の言葉に強く同意。「昔、3日くらい食べなくても、映画や演劇を観て、お腹いっぱいになった」という渡辺は、文化芸術を“苦くない漢方薬”と表現。「そうは見えないかもしれませんが、わたしは小さいときから繊細すぎる気持ちを持った人間で、現実と対峙していくことが苦手だったんです。死のうと思ったことも何度もありました。それを助けてくれたのが演劇でした。山形県民会館(※2019年11月閉館)で『ガラスの動物園』を初めて観たとき、『わたしでも生きていける』と思わせてくれたんです。65歳まで生きて来られたのは、まさに文化芸術のおかげ」と述懐した。

会場の様子。左から司会進行のNozomi Nobody、渡辺、小泉、劇作家の土田英生

なお、各業界から多くの応援メッセージが届くなか、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(2013)で小泉、渡辺が共演した女優・のんからも活動を後押しするコメントが到着。「今、そこに生きている。同じ空気を吸っている。同じ力がみなぎっている。同じ時間、同じ空間、見知らぬ人と歓喜する。一瞬で心がつながるあの集中力は、舞台に立っている者も、観ている者も、ほかでは味わえない生きた心地だと思います。演劇がなくなってしまうことはとても恐ろしいこと。あまりにも悲しい。演劇は明日へ向かう力になります」とエールを贈った。(取材・文:坂田正樹)