コロナで世帯月収60万から11万。退職金出ない自営業者「老後資金が不安」

©株式会社マネーフォワード

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。

今回の相談者は、コロナ禍の影響で世帯収入が6分の1に減少してしまった自営業の方。この非常事態を乗り切って老後に備えるために何をやるべきでしょうか。家計再生コンサルタントの横山光昭氏が運営する『マイエフピー』のFPがお答えします。

新型コロナウイルスの影響で、営業自粛をしなくてはいけなくなりました。整骨院を経営しています。妻は飲食店勤務ですが、現在仕事に行けず、収入が半分ほどになる見込みです。

手当や給付金など、申請できるようになればするつもりですが、このままの状態がいつ終わるかわからず、途方に暮れています。とりあえず、当面の生活費に困ることはありませんが、このままの状況がしばらく続くと、私のほうの顧客も離れていきそうに思いますし、収入が回復するのかどうか、不安でたまりません。

また、老後資金を作るために始めたiDeCoもこのまま続けられるのか心配です。退職金がない私たち夫婦は、退職金を貯めていくことができるのでしょうか。

<相談者プロフィール>

・男性、48歳、既婚

・職業:整骨院経営

・同居の家族:妻(45歳、飲食店勤務)

・子ども:なし

・世帯の手取り収入:60.3万円(相談者:38.7万円、妻:21.6万円)

※相談者→今は0、妻→11万円ほどになる見込み

・年間の手取りボーナス額:なし

・毎月の世帯の支出目安:50万円

【支出の内訳】

・住居費:12.4万円(ローン)

・食費:5.1万円

・水道光熱費:2.1万円

・生命保険料:4.8万円

・車両費:4.2万円

・交際費:2.6万円

・被服・美容費:2.4万円

・嗜好品(タバコ):3万円

・住民税:2.1万円

・国民年金:1.7万円

・国民健康保険料:3.6万円

・その他:4万円

・iDeCo(二人分):2万円 ※始めたばかり

【資産状況】

・現在の貯金総額:約700万円


FP:新型コロナウイルスによる収入減は今や社会問題化しています。給付金など、ある程度の補償はありますが、手続きが始まったばかりでまだお金が手元に届かないものもありますし、相談時にはまだ申請の受付も開始していませんでしたから、大変不安であったと思います。相談者さんの老後資金づくりも含めて、これからのいわゆる“ウィズコロナ”の時代をどう過ごすか、考えてみましょう。

嗜好品や保険が家計を圧迫。本当に必要か見直しを

相談者さんの世帯収入は、コロナ禍により6分の1ほどになってしまいました。現在の収入で、これまでどおりに暮らしていくことは不可能な状況です。今は貯蓄を切り崩し、なんとか乗り越えることを考えていかなくてはいけません。

そこで、相談者さんの家計状況を拝見すると、毎月10万円ほどの余剰金が出るやりくりそしてきたようです。ですが、世帯収入が多かったからでしょうか、支出は全体的に少しずつ多い状況だと言えます。

これから先は以前のような収入が得られるという保証はありませんし、しばらく収支ギリギリの暮らしとなる可能性もあります。収入不足の時期に貯金を切り崩した分を早めに戻したいという気持ちもおありでしょう。今ここで、改めて支出の見直しをし、支出の規模を小さくしておくことをお勧めします。

食費はよく切り詰められていますが、被服・美容費や交際費、タバコ代、生命保険料などが多めだと感じます。こだわりがあり、必要な支出もあるでしょうが、今一度、本当に必要かどうかを見直して、支出を減らすことを考えてみましょう。

これは、今だけではなく、将来的にも必要となることです。時々支出を見直し、その時の暮らし方に適した支出に修正していきましょう。

水道光熱費や保険料は支払いの延長の相談も一考

収入が減りなかなか戻らない、まだ目処が立たない状況であれば、電気、水道、ガスといった公共料金、通信費、生命保険料などの支払いを延長することで家計のバランスが取れるかどうか検討してみましょう。

先々支払わなくてはならないので、むやみに延長しても仕方がないのですが、無断で支払わないくらいであれば、きちんと相談をして待ってもらえる策をとったほうがずっと良策で利口です。すぐに止められることはなくても、数ヶ月すると使えなくなってしまう場合もありますし、生命保険は支払い状況によっては保障を受けられなくなる可能性があるので、支払い困難時はきちんと相談しましょう。

相談者さんのご家庭で大きな支出となっている国民健康保険料、国民年金保険料も延納や減免などの相談ができます。収入状況など最近の家計状況の急変を証明できる資料を持って、相談してみましょう。住民税も、支払い期限を延ばしてもらえる可能性があります。

ただし繰り返しますが、後々きちんと支払わなくてはいけないものがほとんどです。支払いの延長などは生活が維持できる最小限にとどめたほうが、のちの負担が少なくすみます。

iDeCoは金額を下げることも可能

iDeCoは一旦始めると60歳まで解約ができませんが、掛け金を下げることはできます。最低金額は5000円からできますので、家計全体の支出額を下げたい時は、掛け金の減額も検討してみましょう。

ただ、金額の変更は年に一度しかできませんので、慎重に。そして、家計状況が安定・回復してから、金額を上げていくと良いと思います。

注意して欲しいのは、先にもお伝えした国民年金保険料の支払い免除を受けた時です。一部免除となった場合や、猶予を受けた、未納の場合もです。このような場合は、iDeCoにお金をかけることができません。間違ってお金を入れてしまうと、組戻の手数料がかかってしまうだけで、iDeCoの金額は積み上がりません。

生活の維持が第一ですので、やむを得ない場合もあると思いますが、年金保険料の納付とiDeCoの関係は忘れがちになってしまうので、念頭に置いていただけたらと思います。

今後の状況が確定しないため、はっきりと「こういうことをすべき」とはお伝えできませんが、状況に合わせ、何に取り組むかを検討して、状況に合わせた家計を作るように心がけていきましょう。