アクションのさせやすさとスプラッシュの発生を両立させるカタマランマウスが特徴的なメガバスのフロッグ・ポニーガボットファミリーに最大サイズの「ビッグガボット」が仲間入りです!! 今回はシリーズ共通の特徴からビッグガボットの強み、メガバスのフロッグにまつわるあれこれを紹介します!
「ビッグガボット」新登場!
【スペック】
●全長:77mm ●重さ:3/4oz ●タイプ:フローティング ●カラー:10色
ポニーガボットシリーズといえば船の形状から着想を得たカタマランマウスが特徴のフロッグです。
そのマウス形状によりスプラッシュや移動距離を抑えたドッグウォークを得意としており、オリジナルモデルとダウンサイジング版のJr.がこれまでに登場しています。
そんな同シリーズに新たに加わったのが、基本性能はそのままにキャスタビリティの向上や視覚的インパクト、アクション時の水押の強さがパワーアップしたビッグサイズ版「ビッグガボット」です!
実はこれ、本場アメリカのトーナメント・B.A.S.S.で活躍するメガバスサポートアングラーのクリスザルディンが熱望したモデルで、アメリカではすでにリリースされているアイテムなんです!!
ビッグガボットのここが凄い!
・カタマランマウス
いわゆるポッパータイプのフロッグに属するガボットシリーズですが、やはりマウス部分の機構には注目です。
簡単に言えば、マウス部分の左右が後方に伸びているのがキモになるんです。
フロッグの基本アクションでもある首振りアクション時にこの部分から水しぶきが飛ぶのはもちろんですが、マウスの左右が抵抗となることでボディのロールを防いでいるんです!
そのため、レスポンスのいい高速連続ドッグウォークをさせやすく、アクション中にバイトがあったとしてもフック位置が安定し、フッキングさせやすくなっているんです!
また、ロールによる余計な移動が無いため移動距離を抑えたアプローチも可能です。
そのピンスポットアプローチ能力の高さから、伊東由樹氏はカバー用のポップXと称したほどなんです!
・ボディ
カタマランマウスとは他に、ガボットシリーズの共通した特徴があります。
それがこの角ばったボディ形状です。
多くのフロッグの断面形状が楕円形なのに対し、ガボットシリーズはボディ左右がまっすぐに近い、いわば長方形のような断面形状なのです。
これにより、ドッグウォークで首を振る際には、面で押すことでしっかりと水を動かすんです!
それに加え、ビッグガボットはシリーズ最大サイズの77mmですから、見た目のインパクトはもちろん、水押しも大きくパワーアップしているのです!
もちろん、大きくなったことでウェイトもアップしているので、その遠投性能はお墨付き!
狙いのエリアを荒らすことなく、遠くからアプローチできるなどそのメリットは多いですよね!
・フック
平打ち加工が施されたオリジナルデザインフックはスナッグレス性とフッキングレスポンス、そしてかけてからの安心感を両立しています。
加えて針先が動きにくいようボディ形状に工夫が加えられ、またフック自体もラインアイとワイヤーパーツで接続されることで、フックアップ後のバラシの軽減を図っています。
・スカート
これまでのガボットはテールの高い位置に、まっすぐ後方に取り付けられていたスカート。
ビッグガボットでは、高く、それでいて後方で左右へ広がるように取り付けられています。
これにより、アクションやフッキングの際にスカートが干渉するのを抑え、さらにボリューム感も増しているので、そのアピール力も増しています。
・カラー
アメリカで先行発売されていたとあって、カラーラインナップはオリジナルやjr.とちょっと違った雰囲気です。
ですがもちろん、定番カラーもありますよ!
アマガエル
チャートヘッド
そのほかのカラーもぜひ、メガバスのページでご確認ください!
メガバスとカエル
数多くのルアー、特にトップウォーターカテゴリーにおいては他の追随を許さないメガバスですが、意外にもフロッグのデビューは遅め。
オーソドックスなフロッグであるポニーフロッグがリリースされたのは2012年でした。
ですがそれ以前にもちょっと変わったルアーをリリースしていたのをご存じでしょうか?
まずはメガバスのカエルと聞いて思い出す人が多いであろうルアーといえば…
タイプXですよね。
往年の名作・レーベルフロッグのオマージュともとれるデザインがなんとも可愛らしいルアーで、タイプXが行列をなしたポップな広告を覚えている人も多いのでは?
一見するとイロモノ系なわけですが、実は明確な意図やコンセプトがあって誕生したルアーだったんです。
例えばその形状は、水中のあらゆる状態でしっかりと水の抵抗を受けられるようになっており、使ってみるとそのアクションレスポンスの良さにきっと驚かされることでしょう。またその水絡みの良さから、コンパクトボディでありながらビッグベイト並みのインパクトを放つともされていました。
使い方に関しても、ただ巻きはもちろんですが、伊東由樹社長がの「アシ際でヘルベンダーをテーブルターンさせる使い方」が源流にあったり、ひっくり返るようなテーブルターンを水面直下で連続して行う「ホバリング」という技があったりと、かなりテクニカルなものでした。
原案のCGイラストではステルス迷彩機のようだったのに、いざ製品が出てみると…というギャップもある意味、メガバスらしいエピソードですよね。
そしてもひとつ、フロッグルアーにつながる過去の作品で思い出されるのが、ソフトベイトのエアビーですよね。
ボディにエラストマー素材を採用し、しかも中空ボディ、そしてフロッグで言うラバースカートの代わりにラビットゾンカーという変わり種です。
今から10年ほど前に登場していますが、いまだに同じようなルアーはなかなかありません。
オフセットフックを使い、普通のワームのようにして使えるトップウォーターという意味では、昨今のエラストマールアーの走りとも言えそうです。
残念ながらすでに生産されてはいませんが、メガバスのプロスタッフ・石田圭吾さんはこれを改造したルアーでナマズを狙っているそうです。イジリ概のありそうなルアーなので、もしどこかで見かけることがあれば、ぜひ手にしてみてください。
そんなわけで(?)、エアビーの2年後にポニーフロッグが登場しました。
ポニーテールのようにまとまったラバースカートが、ボディ後部から上方向に向かって設けられていることにより、アクション時に水と絡みすぎることなく、クイックなアクションを可能にしているというコンセプトでした。
また、ウェイトの割にコンパクトなため、キャスタビリティにも優れていました。
このラバースカートのコンセプトを継承し、2013年に登場したのがカタマランマウスを搭載したポニーガボットです。
その見た目からポッパーのように激しい水しぶきを上げて使うフロッグかと思われがちですが、同じポッパーでもポップXのように使うフロッグであったというのには個人的にすごく驚いた記憶があります。
そして翌年にはJr.が登場しています。
重さは変わらず、ボディサイズのみが小さくなっているため、首振りアクションはオリジナルよりも出しにくいですが、そのぶん、コンパクトなシルエットという強みを感じさせてくれるモデルでした。
2015年には、フロッグ同様の中空ボディを持つペンシルベイト・ピボットも登場しました。
ペンシルベイトということで、構造はフロッグですがその見た目はベイトフィッシュライクなものになっています。
ハードルアーのペンシルベイトでは狙えないようなカバー周りを狙えたり、ソフトな着水音でプレッシャーを与えにくいといったメリットがあるルアーです。
そこからはしばらく時間が空きますが、2019年のコンセプトアルバムにていよいよビッグガボットの存在が明かされ、今年2020年に国内での発売がスタートしたというわけです。
フロッグは、日本国内ではまだまだファンフィッシング用ルアーという認識があると思います。
ですが、メガバスUSAプロスタッフのクリスザルディンのように、唯一無二のその能力で実はトーナメンターも愛用するルアーだったりもするんです。
その最新作であるビッグガボットが、今年のハイシーズンをにぎやかにしてくれるかもしれませんね!