アパ社長カレーも人気沸騰! ホテルレトルトカレーの熱く刺激的な戦い

自宅にいることが多いと食事の工夫もテーマになりますが、イザという時にレトルト食品は心強いアイテム。最近では和洋中バラエティに富んだメニューが揃っておりオリジナリティ溢れていますが、元祖レトルトの代表格といえばカレー。近年、ホテルのオリジナルのレトルトカレーも注目されていますが、今回はいくつかのオススメを紹介します。


伝統のホテルとカレーの親和性

伝統のホテルには伝統のカレーがあると言われますが、それだけホテルとカレーの親和性は高いと言えます。ホテルカレーのクオリティはお墨付きという中で、レトルトとして売り出すケースが相次いでいます。人気ホテルカレーとしてまず筆者が思い浮かべるのが「パレスホテル東京」です。

1977年~2009年の長きにわたって、ランチタイムのみ営業していたカレー専門店「IVY House」(アイビーハウス)へは多くのファンが訪れました。そんなパレスホテル東京で発売されているレトルトカレーが「パレスホテル オリジナルカレー」。レトルトカレーにも伝統というエッセンスが味付けされています。当時を知っている方ならば懐かしさもこみ上げてくるのではないでしょうか。

クラシックホテルのレトルトカレー

伝統のホテルといえばやはりクラシックホテルをイメージします。横浜の「ホテルニューグランド」といえば、カレー以外にもホテルニューグランド発祥というメニューが多いことで知られていますが、ホテル名物カレーはレトルトとして販売されており、気軽に家庭で楽しむことができます。口に含むといい香りとなんとも奥深いコクを感じます。

また、クラシックホテルのレトルトカレーで筆者が注目しているのが「雲仙観光ホテル」(長崎)の“伝統のビーフカレー”。雲仙観光ホテルは1935年(昭和10年)創業のクラシックホテルですが、伝統のレシピをレトルトカレーで再現しています。とにかく芳醇なコクがクセになります。まるでビンテージワインのようなホテルの歴史をも想起させる深い味わいです。

黒カレーのスパイシーさに驚く

ホテルカレーといえば、いまや朝食ブッフェでも定番メニューであり、その美味しさから人気に火が付いたレトルトカレーもあります。新興のホテルブランドの個性的レトルトカレーとして筆者が唸ったのが「アゴーラ ホテル黒カレー」。

各地へホテルを展開する「アゴーラ・ホテルアライアンス」の各ホテルの朝食会場で圧倒的な人気を博する黒カレーです。スパイスと香味野菜がじっくりと溶け込んだまろやかな味わいが印象的。カレーといえばブラウンという先入観を見ごとに裏切る“ブラック”です。精魂込めたフォンド・ヴォーと厳選した様々なスパイスで食欲をそそるカレーです。レトルトでもその実力は存分に満喫できます。

衝撃のパッケージ!「アパ社長カレー」の実力

伝統のホテルやデラックスホテルのレトルトカレーを見てきましたが、ついにビジネスホテルブランドでもレトルトカレーが登場し話題となりました。日本最大規模のホテルチェーンとして知られる「アパホテル」といえば、元谷芙美子社長を思い浮かべる方も多いことでしょう。そんな元谷社長の顔がプリントされたその名も「アパ社長カレー」。

パッケージのインパクトにカレーの味を忘れてしまいそうになりますが、これがなかなかの味わいなのです。野菜の旨みのよく出たブラウンのルーの味わいと香りがちょっとクセになりそう。小振りの角切りビーフの味わいもソースへ溶け出しているのがわかります。もちろんご飯にもよく合います。その人気のあまりついには店舗出店も果たしています。

老舗旅館のレトルトカレー

そしてついに旅館までレトルトカレーを発売しています。箱根で人気の老舗温泉宿として知られる「一の湯」では、箱根山麓豚のレトルトカレー「一の湯カレー」を発売し好評です。きっかけは、夕食メニューで使用していた箱根山麓豚が甘さとやわらかさで人気になり、夕食メニュー以外でも美味しい豚肉を気軽に味わってもらいたいと開発したとのこと。

一の湯は創業寛永7年(1630年)創業の歴史ある旅館ですが、老舗旅館とレトルトカレーとは意外な組み合わせです。


ホテルのレトルトカレーをみてきましたが、ホテルとカレーというイメージと共にレトルト食品として開発しやすい側面もありブームとして広がりを見せているようです。通信販売等で手軽に入手できるのも魅力。今回紹介した以外にも多くのホテルでレトルトカレーは発売されており、個性的な味わいで楽しませてくれています。ホテルの味わいを自宅で気軽に楽しめるホテルのレトルトカレー。今後も熱く刺激的な戦いを繰り広げていくことでしょう。

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