市町村で10万円以上の差も 現金や商品券…コロナ独自支援続々 【SNSこちら編集局】

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 新型コロナウイルス感染拡大を受けた市町村独自の住民支援策で、熊本県内45市町村のうち、少なくとも7町村が現金や商品券を全ての住民に配布することが23日、熊本日日新聞社の調査で分かった。また子育て世帯を対象にした10万円の給付など、39市町村が住民へのなんらかの生活支援や経済支援を予定。検討中の自治体もあり、さらに増えるとみられる。

 全住民や世帯に現金や商品券を配るのは玉東町と南関町、和水町、産山村、南阿蘇村、氷川町、水上村。産山村は全村民に現金1万円に加え、全世帯に1万円分の商品券を配布。その他6町村は5千円分の商品券を配る。

 子どもや子育て世帯に限定した支援は少なくとも19市町村が予定。芦北町と和水町は大学生ら1人につき最大10万円を支給。水上村は全児童・生徒に2万円の商品券を配布し、高校2~3年生にはさらに1万円を支給する。

 山鹿市は国の「特別定額給付金」(10万円)の対象外となる4月28日以降から来年3月末までに生まれた赤ちゃん1人ごとに10万円を母親に支給する。親元を離れた大学生らに対しては、美里町、南小国町、あさぎり町が農産物を送るなどのユニークな支援もある。

 商品券の大半は地域限定だが、西原村や益城町が全小中学生に図書カード(3千~5千円)を配布する。高森町はケーブルテレビで中学生向け受験対策講座を放送した。

 上天草市は市内旅館・ホテルの宿泊費の半額助成を決め、玉名市も宿泊をセットにクーポン券を発行する。

 一方、熊本市や八代市など15市町村が、プレミアム付き商品券や食事券などを発行するか、発券を計画する商店街や商工会などに助成する。割増率は20~500%までさまざまだった。飲食店の宅配やテークアウト利用者への助成も3市町が実施予定。

 人吉市や相良村などは検討中としている。(地方・都市圏部取材班)

●「アイデア競争」に不公平感

 新型コロナウイルス感染拡大を受けた県内市町村独自の支援策は、市町村によって大きな差が生じていることが分かった。同じ家族構成でも、居住地によって受け取る金額は10万円以上の開きが生じるケースがあり、識者は「県民全体から見ると不公平感は否めない」と指摘している。

 例えば、大学生と高校3年生の子どもがいる4人家族の場合、和水町なら商品券(5千円)が4人、大学生10万円、高校生1万円の合計13万円分を世帯で受給できる計算だ。一方、熊本市などでは現金等の給付は受けられない。

 支援策は全般的に人口が少ない町村の方が手厚い。比較的少ない予算で実施できることや、首長の考え方が施策に反映されやすいためとみられる。

 それぞれの市町村で財政事情は異なるが、独自支援の財源の多くは地方創生臨時交付金や財政調整基金などが活用された。新型コロナは終息したわけではなく、今後の第2波に備えるためには、財源の健全性を十分考慮しておく必要もある。

 県立大総合管理学部の小泉和重教授(地方財政論)は「自治体間のアイデア競争の様相で、政策がどのような効果を期待しているのか見えにくい。本当に困っている人を把握し、優先的に支援を届けることが重要だ」と指摘。

 その上で「県民全体で見ると、市町村で異なる支援策は不公平感がある。新型コロナはオール熊本で検討すべき課題であり、県が中心となって支援策を統一していくべきではないか」と話している。(山口尚久、木村恭士)

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