メジャーリーグ史上、最も僅差だったMVP投票は?

日本時間5月24日、メジャーリーグ公式サイトのダニエル・クレイマーは、過去のMVP投票のうち1位と2位が10ポイント以内の僅差となったものを特集する記事を公開した。各記者が投票した1位の選手に14ポイント、2位に9ポイント、3位に8ポイント・・・という現在の形式になったのは1938年のため、今回の特集記事でも1938年以降のMVP投票が対象となっている。

最も僅差だったのは、ウィリー・スタージェル(パイレーツ)とキース・ヘルナンデス(カージナルス)の2人が216ポイントで並んだ1979年ナ・リーグのMVP投票だ。スタージェルは39歳にもかかわらず打率.281、32本塁打、82打点、OPS.904の好成績を残し、ヘルナンデスは打率.344、11本塁打、105打点、OPS.930をマークして首位打者のタイトルを獲得。スタージェルのほうがより多くの1位票を獲得したが、すべての記者から票を得たヘルナンデスに対し、スタージェルには4人の記者が投票せず、最終結果は史上唯一の同点MVPとなった。

1ポイント差で決着した例は2つあり、1947年ア・リーグはジョー・ディマジオ(ヤンキース)が202ポイント、テッド・ウィリアムス(レッドソックス)が201ポイント。ウィリアムスは三冠王に輝いたものの、MVPにはチームの優勝に貢献したディマジオが選ばれた。

もう1つの例は1944年ナ・リーグで、マーティ・マリオン(カージナルス)が190ポイント、ビル・ニコルソン(カブス)が189ポイントだった。ニコルソンは33本塁打、122打点で二冠王に輝いたが、チームは4位どまり。一方のマリオンは打率.267、6本塁打、63打点という平凡な成績だったが、遊撃手としてのハイレベルな守備力とチームの優勝に貢献した点を高く評価されてMVPに選ばれた。

近年では、2017年ナ・リーグが2ポイントという僅差だった。打率.320、36本塁打、100打点、OPS1.032のジョーイ・ボットー(レッズ)が300ポイントを獲得したが、59本塁打、132打点で二冠王となったジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)が302ポイントを獲得してMVPを受賞。1位票は同数だったが、2位票と3位票が1票ずつスタントンのほうが多かったのが両者の明暗を分けた。

◆その他の僅差のMVP投票

1996年ア・リーグ:3ポイント差
フアン・ゴンザレス(レンジャーズ)290ポイント
アレックス・ロドリゲス(マリナーズ)287ポイント

1960年ア・リーグ:3ポイント差
ロジャー・マリス(ヤンキース)225ポイント
ミッキー・マントル(ヤンキース)222ポイント

1961年ア・リーグ:4ポイント差
ロジャー・マリス(ヤンキース)202ポイント
ミッキー・マントル(ヤンキース)198ポイント

1944年ア・リーグ:4ポイント差
ハル・ニューハウザー(タイガース)236ポイント
ディジー・トラウト(タイガース)232ポイント

1955年ナ・リーグ:5ポイント差
ロイ・キャンパネラ(ドジャース)226ポイント
デューク・スナイダー(ドジャース)221ポイント

1962年ナ・リーグ:7ポイント差
モーリー・ウィルス(ドジャース)209ポイント
ウィリー・メイズ(ジャイアンツ)202ポイント

2001年ア・リーグ:8ポイント差
イチロー(マリナーズ)289ポイント
ジェイソン・ジアンビ(アスレチックス)281ポイント

1995年ア・リーグ:8ポイント差
モー・ボーン(レッドソックス)308ポイント
アルバート・ベル(インディアンス)300ポイント

1957年ナ・リーグ:9ポイント差
ハンク・アーロン(ブレーブス)239ポイント
スタン・ミュージアル(カージナルス)230ポイント

1966年ナ・リーグ:10ポイント差
ロベルト・クレメンテ(パイレーツ)218ポイント
サンディ・コーファックス(ドジャース)208ポイント

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