ル・マン24時間バーチャルにマッサ、フィジケラらを擁してモナコ公妃のチームが参戦

 5月23日、ル・マン24時間耐久レースを運営するACOフランス西部自動車クラブは、6月13〜14日にrfactor2で開催される世界最大級のオンラインレース『ル・マン24時間バーチャル』のエントリーリストを発表したが、LM-GTEクラスにエントリーした54号車『ストロング・トゥギャザー』について、ACOはモナコ公国のシャルレーヌ公妃のチームであると発表した。

 この『ル・マン24時間バーチャル』は、新型コロナウイルスの影響により開催が9月に延期されたル・マン24時間の、本来の開催日である6月13〜14日に行われるバーチャルレース。ドライビングシミュレーターのrfactor2が使用され、各チームはプロドライバーとシミュレータードライバーの組み合わせで挑む。5月23日にエントリーリストが発表され、LMP2が30台、LM-GTEが20台エントリーした。

 そのリストのうち、LM-GTEの54号車としてフェラーリ488 GTEでエントリーしたのが『ストロング・トゥギャザー』。このチームについてACOは、2019年のル・マン24時間でスタートフラッグを担当したモナコのシャルレーヌ公妃が主宰する財団のチームであると発表した。

 シャルレーヌ公妃は、モナコ公アルベール2世の妃で、もともと南アフリカの競泳選手だった。2012年に設立された公妃の財団は、子どもや若者のために、水の安全やスポーツ、教育プログラムを推進するために活動している。

 そんなシャルレーヌ公妃は「第87回ル・マン24時間のスタートフラッグを担ったことは、私にとって忘れられない瞬間でした。その機会を提供してくださったフランス西部自動車クラブに感謝しております。今年は、モータースポーツで知られるモナコとル・マンの関係はより深まり、『ストロング・トゥギャザー』が私の財団、モナコ公国の旗の下でレースを戦うことになりました」とコメントした。

 またACOのピエール・フィヨン会長は「シャルレーヌ公妃からのサポートを誇りに思う。ル・マンとモナコは、モータースポーツの世界で多くの共通点がある。GTEはいつも激しい戦いが展開されるカテゴリーで、バーチャルレースでそうではなくなる理由はないだろう」と語った。

 このストロング・トゥギャザーについては、同時にドライバーも先行して発表された。元F1ドライバーのフェリペ・マッサ、ジャンカルロ・フィジケラに加え、スピリット・オブ・レースからル・マン参戦経験をもつフランチェスコ・カスティラッツィ、そしてシミュレータードライバーのトニー・メラがドライブすることになった。

 バーチャルレースとはいえ、実力派のドライバー参戦とモナコ公妃のチーム参戦は、ル・マン24時間バーチャルのなかでも大きなトピックとなりそうだ。

フェラーリ488 GTE

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