【IR考】「カジノやめてコロナ対策」 誘致反対、無言の抗議

「カジノよりコロナ対策を」と無言で訴え、IRを誘致する横浜市に抗議の意思を示す片岡さんら=横浜駅西口

 横浜市によるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致に反対する市民らが24日、横浜駅西口(同市西区)でメッセージボードを掲げ、無言で抗議する「サイレントスタンディング」を行った。コロナ禍の中、市民の関心はカジノより新型コロナウイルス対策であり、市は注力すべき優先順位が違うと指摘。「カジノをやめてコロナ対策を」と訴えた。

 看護師の片岡理恵さん(50)=同市瀬谷区=が「市のコロナへの対応があまりにひどい。その中でカジノ誘致計画を粛々と進める林文子市長に抗議したい」と呼び掛けた。午後2時から約1時間、市民グループ「ハマカジ」のメンバーを中心に市民ら16人が参加した。

 感染防止を考慮し、参加者はマスクを着用して互いの距離を保ちながら歩道の隅に整列。「カジノをやめてコロナ対策を」「市民が求めるのはカジノではなくコロナ対策!」などと書かれたボードを掲げ、無言で通行人に訴えた。

 片岡さんは「(全18区で開く)市民説明会が6区残っているにもかかわらず、市は(IRの方向性について)パブリックコメントを終わらせてカジノ誘致を粛々と進めており、憤りを感じる」と強調。その上で「県内で確認された感染者のうち4割が市内在住者。市のコロナ対策が不十分として市民は強い不満と不安を持っている。市は市民の声を聞いてほしい」と語った。

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