休館続く図書館、電子書籍の利用増 申請方法を改善

個人の端末で閲覧できる電子書籍(綾瀬市提供)

 新型コロナウイルスの感染防止で臨時休館が続く綾瀬市立図書館(同市深谷中1丁目)で、インターネットで閲覧できる電子書籍の利用が増えている。外出自粛などの長期化を見据え、市は22日から電話やメールで利用申請ができるよう改善した。

 市域中央に立地する同図書館は、交通利便性が悪いことなどから2018年度に電子図書館サービス(電子書籍貸し出し事業)を導入。県内公立図書館で例がない規模の約1万4400冊の電子書籍をそろえたが、月間平均の利用は50人200冊程度と伸び悩んでいた。本に比べ蔵書が少なくサービスの認知度が高まらない中、新型コロナの影響で同図書館は3月3日から入館を規制。4月18日からはネット予約による窓口での貸し出し業務も休止し、全面休館になった。

 一方、来館の必要がない電子図書館サービスは唯一継続。利用状況は3月が80人472冊、4月が103人612冊で推移。4月は人数・冊数ともに前年同期比で約2倍に増加した。

 ただ、電子書籍を利用するには通常の利用者カードのほかに専用IDとパスワードが必要で、窓口に出向いて手続きしなければならなかった。同館は人との接触機会をなくすため、カード保有者を対象に電話やメールで申請を受け付け、電子図書館用カードを自宅に郵送する方法に改善した。

 市教育委員会生涯学習課は「今回の臨時休館で電子図書館への関心が高まる状況になった。元通りの業務がいつ再開できるか見通せない中、新たな生活様式の一つとしてこのサービスを普及させたい」と話している。

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