節目迎えた〝新型コロナ〟 経過を振り返る

緊急事態宣言が全面解除

©株式会社全国新聞ネット

緊急事態宣言全面解除を表明する安倍首相を映す東京・新宿の大型ビジョンとマスク姿の人たち=5月25日午後

 政府は25日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の全面解除を決定した。特措法に基づき、史上初めて7都府県を対象に発令されてから49日。医療現場のみならず、経済や教育など社会の隅々にまで影響を及ぼした〝未知のウイルス〟との闘いは、ひとまず大きな節目を迎えた。国内で初めて感染者が確認されたのはおよそ4カ月前。もちろん、第2・第3波へ備えは今後も続くが、未曽有の事態はどのように推移したのか。国内の経過を、写真とともに振り返る。(構成、共同通信=松森好巨)

 【1月9日】 中国で患者から新型コロナウイルス確認と報道

 中国国営中央テレビ(電子版)は湖北省武漢市で発生した原因不明のウイルス性肺炎を巡り、発症者を検査した結果、新型のコロナウイルスが確認されたと報じた。一方、世界保健機関(WHO)は同日、新型ウイルスかどうかの判断は示さず、今後さらに調査が必要だとする声明を発表。

 【1月16日】 国内初の感染者

 厚生労働省は、中国湖北省武漢市に滞在歴がある神奈川県居住の30代の男性が、新型のウイルス性肺炎に感染したのを確認したと発表。日本国内での患者の確認は初めてだった。神奈川県で同居する家族や接触した医師を含め国内で二次感染が疑われる患者は出ておらず、厚労省は「感染拡大の可能性は低い」としていた。

新型のウイルス性肺炎患者が国内で初めて確認されたことについて記者会見する厚労省の担当者=1月16日午前、厚労省

 【1月30日】 世界保健機関(WHO)が緊急事態宣言

 世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルスによる肺炎について、3回目の緊急委員会を開き、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当すると宣言した。宣言は各国に取り組みを促す狙いがあるが、強制力はなく渡航制限勧告も見送っていた。

新型コロナウイルスを巡る緊急委員会後、記者会見で緊急事態を宣言したテドロスWHO事務局長=1月30日、スイス・ジュネーブ(AP=共同)

 【2月3日】  横浜に到着したクルーズ船の検疫開始

 厚生労働省は横浜・大黒ふ頭沖に同日夜に停泊したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の船内で、乗客乗員約3500人を対象とした大規模な検疫を実施。香港人男性(80)が下船後の香港で新型コロナウイルスに感染したと確認されたことを踏まえた措置で、船内ではその後乗船者の集団感染が判明した。

横浜市沖に到着したクルーズ客船「ダイヤモンド・プリンセス」=2月3日午後8時9分(共同通信社ヘリから)

 【2月13日】 国内初の死者

 新型コロナウイルスに感染した神奈川県在住の80代の日本人女性が死亡したことが厚生労働省により発表された。国内で死者が出たのは初めて。女性は死亡後、感染が確認された。

 【2月28日】  北海道が独自の「緊急事態」

 北海道の鈴木直道知事は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、道民に対し「緊急事態宣言」を出し、飲食店やスポーツジムなど人が集まる場所への外出を控えるよう道民に呼び掛けた。自治体のトップが外出自粛を呼び掛けるのは異例の取り組みだったが、感染拡大とともに各地の首長が実践した。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「緊急事態宣言」を発表し、記者会見する北海道の鈴木直道知事=2月28日午後、北海道庁

 【3月11日】 WHOが「パンデミック(世界的大流行)」と表明

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は新型コロナウイルス感染症について「パンデミック(世界的大流行)と表現できるとの判断に至った」と表明。感染が世界に拡大し早期終息が見通せなくなってきた現状を受け、WHOの規定上存在しない表現をあえて用いることで、各国に一層の取り組み強化を促した。この時点の世界の感染者数は約12万人、死者は約4380人に上っていた。

 【3月24日】 東京五輪・パラリンピックの延期決定

 安倍晋三首相が国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と電話で会談。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、7月24日に開幕予定だった東京五輪を1年程度延期することで一致した。五輪の延期は史上初。

 【3月25日】 小池東京都知事が初めての外出自粛要請

 東京都の小池百合子知事は都庁で開いた緊急記者会見で、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、今週末は不要不急の外出を避けるよう要請した。この日新たに41人の感染者が確認されたことを明らかにし「オーバーシュート(爆発的患者急増)を防ぐ重大局面」と強調、危機意識を持つよう呼び掛けた。東京での外出自粛要請は初めて。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急記者会見する東京都の小池百合子知事。今週末の不要不急の外出自粛を要請した=3月25日午後8時18分、東京都庁

 【4月1日】 国内の感染者が3千人超

 国内ではこの日、新たに266人の新型コロナウイルス感染が確認された。1日の感染確認数としては最多。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員やチャーター機による帰国者を含めた感染者は3千人を超えた。

 【4月7日】 安倍晋三首相が7都府県を対象に緊急事態宣言

 安倍晋三首相は新型コロナウイルスの感染拡大に備える改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく政府対策本部の会合を官邸で開き、緊急事態を宣言した。対象地域は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県。

新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で緊急事態を宣言する安倍首相(右から2人目)=4月7日午後5時43分、首相官邸

 【4月16日】 緊急事態宣言の対象を全国に拡大、感染者が1万人超に

 政府は新型コロナウイルスの感染増加に対応する緊急事態宣言の対象地域を全都道府県に拡大。感染拡大に歯止めをかけ、医療崩壊を防ぐには、大型連休中を含めた人の移動を全国一斉に抑える必要があると判断した。また、国内で確認された新型コロナウイルス感染者がクルーズ船の乗船者を含めた累計で1万人を超えた。7日に5千人を超えて以降、9日間で倍増した。

 【5月2日】  国内の死者が500人超

 新型コロナウイルス感染症による死者が新たに31人確認され、クルーズ船を含めた国内の死者数は累計で530人に。1日の増加数としてはこれまでで最多だった。

 【5月4日】 緊急事態宣言5月31日まで延長決定

 政府は新型コロナウイルス特別措置法に基づく対策本部会合で緊急事態宣言に関し、全都道府県を対象としたまま5月31日まで25日間延長すると決定した。安倍晋三首相は記者会見で、5月14日をめどに専門家会議を開いて感染者の動向や医療体制を分析し、地域ごとの期限前の宣言解除を検討する考えを示した。

 【5月14日】 39県で緊急事態宣言を解除

 政府は新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言について、39県で初めて解除した。重点的な対策が必要な13の「特定警戒都道府県」のうち茨城、石川、岐阜、愛知、福岡の5県と特定警戒以外の34県が対象。

緊急事態宣言解除の発表後、名古屋・大須の商店街を歩く人たち=5月14日午後6時2分

 【5月21日】  近畿3府県の緊急事態宣言解除

 新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言に関し、政府は大阪、京都、兵庫の近畿3府県で解除した。新規感染者数の増加に歯止めがかかり、病床数や検査体制の確保にめどが立ったと判断した。

人通りがまばらな大阪・新世界。奥の通天閣は、大阪府の休業要請などを段階的に解除する基準「大阪モデル」の達成状況を表すライトアップで緑色に点灯。大阪、京都、兵庫3府県の緊急事態宣言解除が決まった=5月21日夜

 【5月25日】 北海道と首都圏の5都道県で緊急事態宣言解除

 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言について、政府は残る北海道と首都圏の東京、埼玉、千葉、神奈川の計5都道県の解除を決定。4月7日に7都府県を対象に初発令してから49日間で、既に解除した42府県を含めて全都道府県への宣言が終了した。